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ごパン戦争  作者: TAITAN
大主食撃滅戦~月兎喰らい死す~
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第186話「宵越しの金塊」

 午後6時。


 夕飯が終われば、もはや後は街並みに溶け込むだけで世界と一体になれてしまう酔っ払いも疎らな時間帯。


 首都随一の歓楽街に繰り出して奴隷市と個人娼館の中でも最下層や最底辺と言われる部類の場所を数台の馬車で回る事となっていた。


 阿片窟に近しい周囲の世界の様相は正に月亀内においてもあまり地方の影域の国々とも変わらない。


 猥雑で違法建築に屯する連中がいて、ケラケラと笑う男女問わない中毒患者ジャンキーと強面のおにーさんがいるだけだ。


 娼婦と奴隷が一緒くたになる事も珍しくは無いファンタジー常識的に言うと。


 大抵、こういう場所で身体を売るのは元締めがやらせているのが大半だ。


 個人営業は立ちんぼと呼ばれるような人々になるわけだが、元締めにミカジメ料とやらを払っているのが大勢いたりもする。


 立ち入ったのは最底辺と名高いボッタクリと美人局好きな犯罪者御用達の小道。


 歩けば、ゴロゴロと死に掛けているのか寝ているのか分からない浮浪者ばかりが目に付く。


 中には明らかに廃兵院にでもいそうな兵隊上がりと分かる屈強な肉体とは裏腹に手足が無い輩もいたりする。


 まさしく吹き溜まり。


 清々しい程に血が真っ黒になってこびり付いた道は善意で舗装されていそうもない。


 その先へと向かう道すがら。

 ガルン《《達》》は両手にトランクを持って歩く。


 それを襲おうという者がいないのはこちらが普通ではないと本能で理解している者ばかりだからか。


 やがて、小道の奥に様々な建物のデッドスペースが折り重なって出来たかのような空間が現れ、その中央に大きな館が見えてくる。


 周囲は小奇麗なものでゴミ一つ落ちていないが、そこに浮浪者が寝転がっていないだけで誰の持ち物かというのは一目瞭然だろう。


 門の前に行くと。

 しっかりと手入れされた鉄扉が軋まずに開いた。

 内部には数人のメイドらしき風体の女と《《男》》が数人。


 見目麗しいのを見れば、相手がそちらの相手もする従業員である事も分かるだろう。


 その奥から出てきたのは片目にモノクルを付けた家令らしき老爺。


「ようこそおいで下さいました。お客様」

「此処は奴隷商兼奴隷市場兼悪名高い娼館でいいのかな?」


「はは、ご冗談を。此処ヘックス娼館は健全に国へ税金も払っております。立派な事業所でございますれば」


「それは楽しみだ。それでさっそく商談をしたいんだが、此処の全ての権利を持ってる方はご在宅かな?」


「はい。此処の主人であらせられるテイオ・カシス様が邸宅奥でお待ちです」


「じゃあ、悪いが押し掛けさせて貰おう」

「はい。では、こちらへ」


 そのまま館の玄関を潜り、成金趣味ギラギラな紅の絨毯に亀の絵画が掛かった通路を往けば、途中からは無駄に彫刻が沢山。


 安心出来るクオリティーを発揮する家主の趣味は……正しくこれからの商談の成功が確実であろうと予測させてくれた。


 一際大きな扉が開かれ、招き入れられる。


 其処にいたのはでっぷりと超え太った豚似のガウンを羽織った男だ。


 いや、そういう種族なのかもしれないが、それならそれで似合い過ぎている。


 その表情は下種さが垣間見えるくらいにはガルンを見てニヤニヤとしていた。


 部屋の奥ではジャージャーと水が流れる音がしている。

 どうやらお愉しみ中だったらしい。

 ガルン達を後に待たせて、さっそくテーブルに付く。


「あんた何処のもんだ?」

「ああ、月兎からの旅行者だ」

「ほう?」


 ギラギラと両手に宝石、両手両足に金輪が嵌った男は金製の歯を見せながら笑みを浮かべる。


「此処には奴隷と娼婦を買い入れに来た。そうだな。とりあえず、アンタが権利を持ってる連中とアンタが別の国に売り飛ばしても構わないと思う連中を集められるだけ集めてくれないか?」


「はっはっはっ、威勢がいいなぁ。坊ちゃん。アンタの連れが持ってる鞄にどれだけ小銭が入ってるのか知らねぇが、オレんとこは高けぇぞ?」


「ああ、構わない。だから、アンタに出来るだけと言った。アンタが本当にこの小さな道に連なる連中の親玉だって言うなら、つべこべ言わずに商品を並べてくれないか? 勿論、売れる者は全てだ。それに見合っただけの額を出そう。見合わないと思ったなら更に額面を追加してくれてもいい」


 こちらの言葉に一瞬顔を怒らせたかと思ったものの。

 男が面子を見せ付けようというのか。

 すぐに家令に号令を下した。


 それと同時にパタパタと廊下から走り去っていく者の足音が多数。


「その言葉、引っ込めんなよ? 坊主」

「ああ、引っ込めるつもりはない。どれくらいで揃う?」


「……30分で100人商品を集めよう。オレのところでストックしてたやつだ。更に1時間で250人集めよう。オレが金を貸して首の回らねぇ連中が売った餓鬼や恋人だ。2時間で500人集めよう。ここらに屯してる浮浪児共だ。無論、オレが売ろうと言えば、売られちまうだけの金を貸し付けた孤児院や親から捨てられた連中だ。此処では親の借金は子供が払う事になってっからな。浮浪児になっても、そいつらへの権利自体は消滅してねぇ。つまり、好きに出来る。まぁ、官憲とお国は見て見ぬふりをしてくれるだろう。連中からすれば、オレ達は税金を払う蛆虫以下の存在。此処に屯してる連中なんぞいなくなってくれたら、逆に礼が貰えるかもしれねぇ。そういう関係だからな」


「じゃあ、ついでに首の回らなくなった連中も集めてくれ」


「何?」


「聞こえなかったのか? アンタが好きに出来るやつを全員と言っただろ? 爺だろうが老婆だろうが借金でアンタの言いなりになる連中を全員だ。勿論、オレが買える保証と連れて行ける保証があるなら何人でもいい」


「………正気か? 坊ちゃん」


「ああ、正気だ。それと此処に務めてる娼婦と家令役は買えるのか?」


「ぁ、あぁ、そりゃぁな。連中はオレが雇ってるが、此処を出たって何処にも働き口が無ぇようなヤツばかりだ。そりゃあ、売ろうと思えば、売れるさ」


「なら、それも含めてくれ。ああ、後は中毒患者や死に掛けの連中もお願いする。無論、アンタが好きに出来ると保証してくれる人間ならだが」


「―――いいだろう。その言葉覚えておけよ」


 目を細めた男が立ち上がり、何やら詠唱を始めると。


 すぐに呪文を発動させつつ、部屋の片隅で何やら通信先にがなり立て始めた。


 後からひっそりとガルンが脂汗を浮かべて尋ねてくる。


「遊びに来たんじゃなかったの? セニカ様」


「遊びに来た。ついでに買い物もしに来た。旅行の醍醐味だよな。それと様付けは不要だ」


「………」


 それから慌しくメイドが持って来た紅茶を嗜みつつ待つ事30分。


「第一陣が来た。外に出ろ」

「合計金額だけ教えてくれ」


 豚オヤジに尋ねれば、こちらに憎々しげに見て、ザッと指を二つ立てた。


「10億!! 10億はまからねぇ!!」

「一本五億か。安いな」

「何ぃ?!」

「ガルン」

「イエス。マジェスティ」


 ガルンの一人が豚オヤジの前にトランクを置いて開いた。


「悪いが小銭は持ってないんだ。とりあえず、原価で10億。確かに払ったぞ」


「な―――!!? 純金のインゴットだと!!?」


 トランクの中身はきっかり10億からなる円筒形の金塊。


 それも混ぜ物無しの耀きはさすがに相手にも分かった様子で顔色が変わった。


「さ、触っていいか!?」


「ああ、間違いなく純金だ。混ぜ物無し、何なら中身まで切って確認すればいい」


「ああ、言われなくとも!!?」


 豚オヤジがザッと魔術で金塊を切り分けて中身まで確認し、両手で持って重量までも量り、呆然とする。


「確かにモノホンか!? こいつは月兎の刻印?! あの白耳野郎共が運営する商会の元本保証に使われるって話は聞いた事がある。テメェ何もんだ!?」


「何者? 旅行者だ。お前は商人だ。オレはお前に品を出せと言った。そして買う。お前は売る。それ以外に何か重要な話があるのか?」


「ッ、いいだろう!! ああ、テメェが買い切れないだけ集めてやるよ!! 集めるのだってただじゃねぇんだ!! 後で泣きを見るなよ!!」


「いいから、仕事をしろ。商人は黙って客の要求したモノを売るもんだろ」


「チッ」


 舌打ちしつつも金塊に目が釘付けとなった豚オヤジが次々に部屋の隅でガンガン通信を魔術で飛ばし始める。


 その形相は必死だ。

 そうして、二時間後。

 ゼェゼェと喉を嗄らした豚オヤジがクツクツと嗤う。


「集めてやったぜ!! オレが売れるだけの連中をッ!! 死に掛けのババアからジジイから薬漬けから餓鬼から生まれたばかり赤ん坊から、この国にとって害虫呼ばわりされて何処に消えたって文句一つ付かねぇオレの商品達がッッ!! 〆て742人!! 借金込みで143億3433万!!! 代金踏み倒したら、テメェを此処で働かせてやるぜ!!」


「ガルン」

「イエス。マジェスティ」


 ザッザッザッと通路の奥から足音がやってきて、次々にガルン達が豚男の前にトランクを置いて開いていく。


 やがて、端数が出たので約二億余計に払った事を確認して立ち上がる。


「人間としては下の下以下だが、商人としては優秀だったな。全員買っていく。此処に署名しろ」


 魔術を使った契約書。


 それにはしっかりと公正証書である事が、月亀の行政府が発効するものである事実が記される。


 もはや震えた手でサインする豚オヤジの顔は喜悦に引き攣り。


 魔術関連で面倒な契約が出来ないらしい体質であるこちらの変わりにガルンが買い上げの証明。


 要はレシートに名前を書き込む。


「此処に正式な書類は成った。じゃあ、精々幸せな暮らしをしてくれ。オレはオレの目的が達成出来て満足だ」


 後から空ろにも見える狂乱の嗤いが響き渡る。


 それを背後に歩き出して館の玄関口まで出れば、シンと静まり返っていた。


 無数の人間がいる。


 生まれたばかりの赤子と思われる姿まで頬のこけた母親の手に抱かれている。


 薄汚れた連中から今にも死に掛けている老人まで多種多様だ。


「オレがお前らをこの館の主から買い上げた主だ。これがその証書。サインは間違いなくアイツのものだ」


 ガルンが掲げた巻物には確かにあの豚オヤジが所有する全ての人物に関する権利の譲渡という項目がある。


 どよめきは起らない。

 その誰の目にも空ろな耀きばかり。

 館の敷地内で控えていたメイドの男女や家令役もまたそうだ。


「まず死に掛けている者から治療を施す。次に餓死しそうな者。次に薬の中毒がある者。次に怪我人。次に子供。次に女。次に老人。最後に若い成人を超えて老年前の男女。お前ら全員に課す義務はまず生きてオレの命に付き従う事だ。喰わなきゃ死ぬって奴は好きなだけ食わせてやる。そして、メシを食い終わったら風呂へ入りに行け。ガルン」


 複数の桃色髪が周囲に屯して唖然とした者達に今言った条件で治療を施していく。


 難民用に使っていた肉体の賦活剤。

 兵隊を治療する為に使っていた自分の血を使った薬。

 それから相手の胃を満たす味付きのレーション。


 次々に周辺には首都全域から借り受けた大型の乗合馬車が数十台到着し、持ってきた物資で手当てが施されていく。


 呆然としていながらも、的確に処置されて今にも死に掛けていた者が息を吹き返す様子に周辺はようやくどよめきで支配されていった。


 それから数分。


 ボリボリと大量にレーションを齧る浮浪児達や奴隷、借金漬けの娼婦達がようやく腹が膨れた様子で一息吐いて、こちらを恐々と見上げ始める。


 男も女も無い。

 その瞳は言っている。

 何で?と。


「お前らにオレが今からする命令は一つ。この小奇麗な月亀の大衆文化。公衆浴場とやらに行って体を隅から隅までしっかり洗う事だ。風呂の中で溺れそうなヤツや入れない赤子なんかは入れなくていいが、基本的には入って体を洗え。後、お前らの服は思い入れが無いなら其処で捨てろ。場所は指定してある。この桃色髪に付いていけ。後、種族だの何だのを理由に男女以外の区分で一緒に入らないというのは許さない。時間も無いからな。合理的にやろう。では、分かった奴から動け。慌てず騒がず走らず。行けっ!!」


 ガルンの一人が狭い路地の先で大きな旗を持って待っている。


 そこには難民を示す裸足の足型と反乱軍を示す錆びれた剣と魔王を示すらしい黒の角が描き込まれていた。


「皆さんはこちらに来て下さい。家族や親族の方は逸れないように」


 導く声に連れられてハーメルンの笛吹き並みにゾロゾロと引き連れたガルンが月亀で一度は入ってみたいと称される浴場へと向かって歩いていく。


 数十分後には全員が一っ風呂浴びている事だろう。


 首都全域の浴場とは午前中に話を付けており、金も握らせている。


 同じ様に仕立て屋や商店からは今頃衣服の大半が消えているだろう。


 そうして、次々に首都のあちこちにある娼婦と男娼と奴隷と権利を買い上げられた連中ばかりな暗がりから人が風船から出て行く空気のように抜けていく。


 あちこちで目撃されるだろう3000人からなるガルン軍団とそれを統率する同じ魔術で増えた魔王閣下数十人の姿は伝説になるかもしれない。


 一夜にして《《老若男女御買い上げ》》となれば、また面倒な逸話が増える事になるが、まぁ構うまい。


 此処は敵国。

 そして、出来る限り法に触れず。

 触れてもグレーゾーンで通せるように人を買ったのだ。


 脳裏では別の自分が複数の路地、複数の娼館で現地に思い入れがあって残ったりする連中や家族や親族を待つという輩にも複数施しなどを行っていた。


 出来る限りは買い上げだが、理由が在れば、残るのもまた良しとして……総計で恐らくは2万人規模くらいの人間を買ったかもしれない。


 性病から難病から障害からあらゆるものに効くと評判な万能薬と言っても過言ではない魔王軍謹製の薬も所詮は自分の血の成分と細胞をヒルコに培養させた代物。


 魔術であらゆる物質が複製可能な以上、大量に用意するのは難しい事では無かった。


 健康面での問題が無くなれば、長距離の大蒼海の輸送にも耐えられるだろうし、言う程には不快指数が上がっても文句は出ないだろう。


 人混みが十分程で捌けるまで黙っていたが、ようやく無人になり、門が開けられるようになった。


 後を振り返れば、何と言うか。


 こう、この世の者ではない何かを目撃してしまった的な瞳で固まるメイド達と家令の姿があった。


「お前らは清潔そうだから、そのままオレの指示で働いてもらおうか。じゃあ、順番にこの国に残るか。あるいはオレと来るか。答えてくれ。ちなみにオレの下で働くなら今の給料の倍払おう。どうする?」


 メイド(美男子+低年齢ショタ込み)がワッと詰掛け、手を上げて行きます行きますの大合唱。


 それにちょっと引きつつ、家令役を見たら、ハッとした様子となった全員が思わず後に引いて、その老人がこちらの前に来るのを静かに待つ。


「あなたが新しい主となる事にまったく問題は無いように見受けられますが、一つ問題が」


「何だ?」

「御名前を教えて頂けますか? 我が主よ」


「オレか? オレはイシエ・ジー・セニカ。まぁ、今は月兎の上層部連中の顧問役みたいな事をしてる」


「―――近頃、噂の魔王陛下でしたか」


『?!!』


「陛下じゃない。閣下だ。一応」


「……では、魔王閣下。我らをどのように使うおつもりで? こう言っては何ですが、場末の娼館で見目麗しいからと買い取られた程度の女子供ばかり。本職のように振舞えても、本職ではありません。出来るのは精々が身の回りのお世話を少しと夜の御相手くらいですが」


「悪いが今日からは馬車馬のように学習研鑽と実践と悪戦苦闘する日々だ。立ち振る舞いがどうにかなるなら、そういう面だけでも最初は誰かに教育を施してもらうかもな」


「……無茶を仰る」


「だが、あの豚オヤジの下で働いて死ぬよりはマシな人生だと思うぞ。割りと真面目に」


「そうかもしれませんな」


「病気や持病や生まれ持っての障害なんかがあるやつはまだ余ってるから薬を飲め。その後、オレの下で小間使いをしてもらおう。必要な事は教えてやる。お前らの同僚になる連中も200人くらい買ってる最中だから、後で編成する際に紹介しよう。付いて来い」


 頭を下げた老爺に続いて慌てた様子でメイド達が腰を折った。


 よく聞けば、館からは未だ小さく狂ったような声が響いている。


 月亀攻略の為の大戦略に組み込まれた哀れな犠牲者に肩を竦めつつ、本日の《《夜遊び》》部分を開始する。


「この国で一番大きい裏カジノ。賭場があれば教えてくれ。全部で遊んでみたい」


「それなら覚えがあります。案内しましょう。我が主」


 老爺から場所を聞きつつ、明日を前にして長い夜へと繰り出す。

 まずはカジノで《《負けてこよう》》。

 出来れば、あちこちの賭場で壮絶な良客となろう。

 世の中にはこういう言葉もある。

 金は天下の回り者。

 その天下が誰なのか。

 まずは確めてみるのもいいだろう。


「お前らも好きなだけ遊んでいいぞ。今から原資を用意する。とりあえず一人に付きトランク二つ。此処からがスタートだ。オレの課すノルマを達成してきてくれ」


「了解致しました」


「オレも名前を尋ねようか。新しい部下との初コミュニケーションだな」


「……バルトホルン・トーチ。生まれは知りません。世に生を受けてからこの路地裏から3里離れた事も無い老体ですが、どうぞお見知り置きを」


 老爺はそう微笑んだ。


 年輪の刻まれた皺とは裏腹にまるで少年のような悪戯っぽい笑みで。


 そうして初めての買い物は大成功の内に終わったのだった。


 これより4日連続で行うだろう月亀降伏に向けた下拵え、最終日への謁見に向けて着々と準備は整いつつあった。

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