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1 王都へ

 街の広場を抜けて、路地を何本か入っていくと二階建ての小さな家についた。

「さあ、入って」

 ドアを開けてもらって、中に入るとおじさんとおばさんが迎えに出てくれていた。

「アスタ、久しぶりだな。元気だったか?」

「いらっしゃい、アスタ。あなたに会えるのを楽しみにしていたのよ」

 順番にぎゅっと抱きしめてくれて、ここまで来れて本当によかったなって思った。

 本当のことを言うと、乗り合いの馬車で何日も旅するのはちょっとだけ怖かったし、寂しくもあったんだ。

「お茶もお菓子もいっぱい用意して待ってたわ。お夕飯もうんと豪華にしちゃった。自分の家だとおもってゆっくりしてね」

 いい匂いのするお茶や、クリームたっぷりのパウンドケーキ、ジャムののったクッキーのほかにもいっぱいお菓子を用意してくれている。

 お昼に湖畔亭でわたしが起こした事件が話題となって、おおいに盛り上がった。グノンおじさんは、さすがバロダさんの孫だ、なんておじいちゃんの名前を出して褒めてくれた。

 夕飯のお魚もたっぷりいただいて、2階の部屋に案内してもらった。

 2階の部屋からは、リゼルラントの街をみることができた。オレンジ色の光がぽつぽつと街並みを照らしだしている。

 湖のほうにある高台の上では、お城がひときわ明るい光で輝いていた。あそこにはきっと、立派な玉座にすわる王さまや、きれいなドレスを着て踊るお姫さまとかがいるんだ。

 昼に会った魔法使いのお兄さんもあそこで働いてて、もしかしたら王さまたちの身近でお仕事をしているのかもしれない。

 歌い手のお姉さんも、剣士のおじさんも、みんなこの街にいる。

 また会えるかな。ううん、絶対にまた会うんだ。

 わたしだって、あの人たちみたいなかっこいい大人になるんだから。


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