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最強勇者は強すぎた  作者: MTL2
エルフの故郷
93/421

【プロローグ】

 ――――勇者、勇ましき者よ。聖なる女神より加護を与えられ賜うし者よ。

 貴方が訪れたそこは、エルフの聖地。旧き刻よりエルフ達が生きてきた故郷です。

 自然と共に生きてきた彼等の歴史は深く、彼等には彼等の正義があるのでしょう。

 しかしその旧きものは時として善きものでもあり悪しきものでもあるものです。貴方の瞳に、それはどう映るのでしょうか。

 それが試練かどうかは、貴方が決めることなのですーーー……。

 これは、永きに渡る歴史の中で、戦乱を凌ぎ続けてきた勇者と南四天王。

 奇変なる運命から行動を共にすることになった、そんな彼等のーーー……。


「私、思うのよ。フォール君」


「何だ」


「女の子は心にチ〇ポを持ってるって言うじゃない?」


「言うのか?」


「言うのよ」


「言うのか……」


「だけどさ、男の子もお尻にマ〇コを持ってるじゃない!! ……ってね」


「…………」


「まぁ、女の子も男の子もおクチはマン」


「黙れ」


 狂動の物語である!!



【プロローグ】


「困った事になりましたね……」


「うぅむ……」


 夜星輝く『平原の湖』の水辺に彼等はいた。

 焚き火の焔だけが空の光雨に抗い、彼等の縋る糸だった。仄かな薫りと温かみのある湯気だけが、それを産む焔だけが、彼等がこの暗闇で縋れる糸だったのだ。

 これから行くべき道があんな惨状になっていた彼等の、唯一。


「橋があそこまで倒壊しておるとはなぁ。果てが見えなんだぞ……」


「切れ端の煤けた状態を見るに、燃やされたのでしょうね。湖の上でなければ橋が全焼していたでしょう」


「いやぁ、誰がやったんだろうねぇ。みんなが渡る橋をねぇー」


「「…………」」


「んぁ? どうしたの?」


「いや、何で御主がまだいるのだ?」


「ひっどーい!? 私は要らない子なのリゼラちゃん!? 毎晩毎晩あんなに愛し合ったのに!! ぐすんぐすんっ」


「記憶捏造すんのやめてくれる!? それ御主が勝手にベッドへ潜り込んできただけじゃろーが!!」


 まぁ、橋の問題もあるが、それより何よりこの馬鹿だ。

 ――――格好付けてまた会おう的な感じで去るかと思ったらこのド変態ことルヴィリア、ごく当然の様に居残りやがった。さらには先日の馬鹿騒動から丸一日経った今でも三食しっかりご馳走になっている始末だ。

 しかも先日の夜は水浴びで乱痴気騒ぎ、朝は布団に潜り込んで乱痴気騒ぎ、お昼は魚と野草でランチ騒ぎ。大変美味しゅうございました。


「まぁまぁ、私だってあっちの橋が直らないことには進めないもんね。修理団がくるまでは一緒よんよん☆」


「シャルナ、御主って日曜大工どうよ?」


「申し訳ありません、リゼラ様。その手の工作はあまり……」


ご遠慮しますダイレクトノーセンキュー!? やだやだやだ私だってカワイイ女の子と一緒にいーたーいー!!」


「取り敢えず御主は人の下着を盗んで被りながらダンスすんのやめたらな!? おいフォール、御主も何とか言ってやれ! と言うか、御主ならあの橋も直せるんじゃないか!?」


「確かに。そうでなくとも、貴殿なら魔道駆輪ぐらい投げて向こう側にーーー……」


 そんな彼女達の言葉に、返答はなかった。

 どころか、ぐつぐつと鍋を煮ていたはずの彼の姿がない。側にはまな板に乗ったキノコの切り身と包丁、調理途中の魚介が放置されており、フォールはまるで神隠しにでも遭ったかのようにスッパリと消えている。

 あの男が予想外の行動をすることは多々あったが、調理を途中で投げ出すようなことはなかった。言葉なく消えることもなかった。

 あの男、いったい何処へーーー……?


「おい、ここだ」


 声がする。聞き慣れた、相変わらず感情のこもっていない声だ。

 今し方消えたはずの男の声が、彼女達の周りから聞こえるのだ。闇へ融け込むように、囁かれるように。

 そう、まるでーーー……、透明になって耳元に立たれているかのような。


「まさかそんなエロ同人専用アイテムが!?」


「マジか!? やばい、構えろシャルナ!! エロいことされるぞ!!」


「え、えぁっ!? そ、そんなっ……!!」


「落ち着け阿呆共。あるわけないだろう、そんなもの。……こっちだ」


 視線は真横から、真下へ。

 彼女達の足下に立っていたのはだぼだぼの服を着た、男の子だった。


「「「…………はっ?」」」


「大変なことになったな」


 随分とまぁ、目付きの悪い男の子だ。

 こんな声で、こんな目付きで、こんなに太々しい男など、彼女達は一人しか知らない。

 いや、知っているのは男の子じゃなくて男だけれど。だとしても、この子はその男以外に話を付けられるような顔付きでも声色でも性格でもない。その男以外に誰も尊像出来ないほど、その男だった。

 子供になった、その男だった。


「「やっぱりエロ同人専用アイテムじゃねーか!!」」


「何がだ。見ろ、キノコの味見をしたらこのザマだ。向こうで吐いてみたが戻る様子もない」


「キノコぉ!? そんなキノコあるわけないじゃなっ……」


 キノコに飛びついたルヴィリアの顔がさらりと青ざめる。

 ――――あ、やっべコレ私のだ、と。その言葉を必死にのみ込んで。


「ふぉっ、ふぉーるが、また、ちぢんでっ……」


「今度は幻覚ではなくて本当に縮んだがな」


「って事は御主アレか!? あの森のキノコか!? また使うとか正気か御主!!」


「味は悪くなかったからな。昨日と今日で魚料理が続いているし、バランスが欲しかったんだが……、ふむ、こうなっては仕方ない。貴様等も喰え」


「「嫌ですけど!?」」


「ふぉ、フォール、どうだ。膝空いてるぞ、ほら。座らないか? な、なっ? 見上げるままじゃ首が疲れるだろう?」


「ふむ、ではそうさせて貰おう」


 シャルナの膝にちょこんと座る子供フォール。

 感動のあまり涙している辺り、この四天王は色々と大丈夫なのだろうか。


「ふぉ、ふぉああああ……」


「シャルナちゃん、私も私も! 膝枕してください!!」


「黙れ」


「あるェっ!? ルビーちゃんショック!!」


 がびーんと露骨なリアクションで落ち込むルヴィリアや、もう膝に乗ってるだけで満足げに呆けているシャルナは兎も角、だ。

 魔王リゼラは幼児化した勇者フォールを前に、絶句し、焦燥し、唖然としていた。当たり前だろう、あんなに偉そうにしていた男が、まさか自分と同じぐらいまで縮むとは思いも寄らなかったのだから。

 ――――あれ? もしかしてこれはチャンスなんじゃないか? こんなガキになってしまった、まぁ自分もだが、今のコイツなら倒せるんじゃないか? 初級魔法でも余裕なんじゃないか?

 そうだ、間違いない。同じ土俵に立っているのなら、この妾が勝てないワケがない!


「く、くくく! 愚かなり勇者フォール!! 遂に己の傲慢で地に堕ちる時がきたようだな!! 今の貴様ならば我が力を持って」


「助けろお姉ちゃん」


 スパァンッ!!

 凄まじく弾ける音と共に、リゼラの眼前から空気が焼失した。

 何が起こったのかを理解するまで一秒。滝のような汗が噴き出るまで二秒。現実を理解するまで、三秒。


「……はっ!? 申し訳ございませんリゼラ様!! 無意識の内に!!」


「無意識の内に首飛びかけたんじゃが」


「ナイスだお姉ちゃん」


「はひゅぅん♡」


「リゼラちゃん、シャルナちゃんチョロすぎ問題を定説したいの」


「これだから脳筋は……!!」


 最強の護衛とその使い方を学んだショタ勇者。

 この男、魔王リゼラの時と言い今と言い、相手を封じる手管は超一流らしい。


「にしても困ったわねー。まさかこんな効果があるとは……」


「効果?」


「え、あ、いやいや、このキノコにね? シラナカッタワー! ビックリダワー!! キマシタワー!!」


「……まぁ、構わんが。確かにこの状態をどうにかせん事には問題は問題だな。貴様等、何か解決策は思い浮かばないか」


「す、すまない、フォール。私では何も……」


「と言うか御主もうずっとそのままで良いんじゃないか。前よりミジンコぐらいの愛嬌はあるし、何より叩かれないからな!」


「飯は作れなくなるがな」


「ルヴィリアーーーーーーーーーーーーッッ!!」


「食いしん坊キャラって寝てる間に指フェラさせたいわよね。え、思わない?」


 余計な一言を付け足しながらも、彼女は首を捻って思案する。

 そして、リゼラが調理途中の鍋を見て慌てふためき、シャルナが両膝の上に乗ったフォールに頬擦りしようかしまいか迷っている内に彼女は答えを導き出した。


「放っといたら回復するんじゃない?」


 時間こそが万能の治療薬とはよく言ったものである。


「それじゃあ今日の夕飯はどうなるのじゃ御主ゴラァ!!」


「そうは言われてもねぇ。吐いても戻らないってことはたぶん、毒素が体内に入っちゃったってことでしょ? だったら体から排泄されるか、別の毒で中和するとか……。まっ、フォール君なら毒の方から逃げ出すだろうから、明日中には戻るんじゃない?」


「じゃ、じゃあフォール、今日は一緒に寝……」


「断る」


「そ、そうか……」


「シャルナお姉ちゃん私が寝るゥ!!!」


「そうか。湖の底は冷たいだろうが大丈夫か?」


「あるェ!!?!?」


 相変わらず変態には容赦のないシャルナさん。

 と、そんな事はどうでも良いリゼラ。問題は今日の夕飯が作られていないことだ。

 ――――自分は料理なんか作ったことないし、何より食べる専門だ。

 シャルナに作らせてみようか? いやいや、不器用の極みのような彼女にそんな事をやらせたら大惨事は目に見えている。くしゃみで魔王城の円卓を粉砕させたような女だ。

 ルヴィリアはーーー……、論外である。絶対媚薬か睡眠薬とか入れてくるわ。


「こ、こうなったらもう、妾が頑張って作るしか……!!」


「リゼラちゃん、ダメよ」


「くっ、止めるなルヴィリア! 妾は夕飯のない夜など朝日のない朝に等しいのだ!!」


「はい、裸エプロン」


「…………」


「あとニップレスと……、あ、エプロンはフリルとランジェリータイプ、あと水溶性タイプがあるけど、どれにする? 私のオススメとしてはやっぱり場所を生かして水溶性のがもごっふ」


 部下の顔面に爆炎を放ち、達成感溢れる表情で魔王は額の汗を拭い去った。

 今日の夕飯はどうしよう。もうぶっちゃけ橋とかショタ勇者とかどーでも良いから、夕飯はどうしよう、なんて。

 そんな事を、考えながらーーー……。


「ちょっと」


 その女の出現に、跳ね上がった。


「はひっ!?」


「……何だよ、そんなに驚くなよ。声掛けただけだろ」


 ローブに身を包んだ女の表情は、よく解らない。いや顔ばかりではなく体格や髪色、装備までもがその一着に隠されていた。

 辛うじて女だと解るのは僅かな胸の膨らみと声色からだ。もう少し謙虚な肉付きであれば、或いは言葉使い通りの粗暴な声であれば、女と判断することさえ難しかっただろう。

 しかしそんな背格好の割には敵対だとか警戒する様子はなく、焚き火の光が見えたから寄ってみただけなのだと、雰囲気で直ぐに解った。


「あんた達、こんなトコで何してんだよ。今この辺りがどうなってんのか知らないのか?」


「い、いや、知らぬが……。それより名乗らぬか愚か者! 妾を驚かせるなど万死に値するぞ!!」


「何だ、偉そうなガキだな。……一見した時は人買いの連中かと思ったが、貴族のお嬢ちゃん、いや、ボンボン兄妹の旅行か?」


「「誰が兄弟だ」!!」


「……違うのかよ?」


「ちーがーうー!!」


 ぎゃあぎゃあと喚くリゼラを抑えつつ、女は焚き火の側へと腰掛ける。


「……名乗るのが遅れたな。あたしはリース・ホークアイ」


 そして、その光を受けるようにフードを脱いだ。

 温かな、包み込む光を受けるのは闇色。エルフが持つはずのない漆黒の肌。

 エルフ達に忌み嫌われ、呪いと蔑まれ、人間達にさえ不吉の予兆と恐れられる、漆黒。

 彼女はーーー……、混血の忌み子(ダークエルフ)だった。


「…………ッ!!」


 彼女がフードを脱いだ瞬間、ルヴィリアは焚き火を踏み潰さんばかりの勢いで立ち上がる。

 飄々とした彼女からは思えないほどの焦燥がそこにあった。額に滲んだ汗も、縛り上げられた口端も、何より瞳孔まで開ききられた眼も、そうだった。


「な、何だよ、あんた。ダークエルフがそんなに珍しいかよ」


「……い、いやぁ、超美人だから驚いたのよ。ちょっともうちょいワンモアはだけて貰って良い?」


「何で……?」


「シャルナちゃんとイチャラブしてるトコにヨーグルトぶっかけ☆したいわぁ……。褐色に白濁は正義。良いネ?」


 にたにたと下卑た笑みを見せるルヴィリアだが、勇者は彼女の表情にある戸惑いを見逃さなかった。

 焦燥と、戸惑いと。下手な嘘が母親にばれてしまった子供のような、純粋な怯え。いつもの軽快さからは決して有り得ない感情だ。

 フォールはそんな彼女に一瞥をくれると、偉そうにシャルナの膝上で踏ん反り返って、リースと名乗ったダークエルフの女性に視線を向ける。


「……それで、ダークエルフがどうしてこんなところにいる? この辺りにエルフの集落があるのか?」


「ん、確かにあるっちゃあるけど、あたしは集落から来たわけじゃない。あたしは流浪の旅人でね、今し方仲間からの連絡があったから西の方から戻って来たのさ」


「西からなら、向こう岸から来るはずだろう。橋は壊れているはずだが」


「そうだよ。だからあたしもまず集落に寄ろうと思ったんだけどね、何でだか近くに船があったからそれを使って来たんだ。直ぐに戻るのも癪だしね。ま、それより湖の主の嫌がる材木で作った船を放置するなんて、何処のボンボンなのかって方が気になるけど……」


「船……、か」


「あぁ、使うかい? 誰のか知らないけどさ」


「そうしたい、が。その前に問うぞ。今の口振りだと向こう岸の何処かにエルフの集落があるようだが、どうして集落に戻らずこちらに? 一度戻ってからでも良かっただろう」


「……あー、そりゃアレだ。家出、してきたからな」


「家出?」


「下らない理由さ」


 誤魔化しの苦笑に、フォールはそれ以上の追求をすることはない。

 彼はいつものようにそうかと短く区切ると、再びシャルナの膝に踏ん反り返った。リースの返答は偉そうなガキだな、だった。


「……ま、悪かったよ、邪魔してさ。野宿の準備してたんだろ? けどここでは拡げないほうが良い。それを知らせようと思って寄ったんだ」


「ど、どういう事じゃ?」


 魔王を驚かせるように、リースは大袈裟な圧を出して彼女に語りかける。

 この湖には伝説があるのだ、と。

 ――――古く、神の祝福を受けた一人の女がこの湖に涙を流した。するとその涙を飲み込んだ一匹の魚が加護を受け、神の力を手に入れたという。やがてその魚は神魚と畏れられ、人々に崇め立てられるようになった。

 しかし、魔王の出現により世界が瘴気に染まり、モンスター達がこの湖に血を流したことで神魚は汚れ、呪われてしまったという。

 それからその神魚は神と魔の二つの属性を持つようになり、生贄を捧げられることで神託を捧げる存在になりはてたのだーーー……、と。


「今でもこの伝説はエルフ族の中で信じられていて、百年に一度、同胞を生贄に出す。そして神託を仰いで、百年の内にある災害だとか厄禍だとかを乗り越える。……そういうしきたりがあるんだ。ま、あたしも結構信じてるタチだけどね。たぶん、戻ってこいっていうのもその神事があるからでーーー……」


 言い切った彼女のお腹から、くぅと子犬の鳴き声のような音がする。

 リースは誤魔化すように笑ったが、時間も時間だ。焔に寄せられたのは興味や忠告ばかりではない、ということだろう。


「……摘んで良いぞ、そこの干し魚」


「おっ、マジで? 良いの? ……んっ、美味いなぁ、これ!」


「しっかり干してあるからな」


「へぇ、ガキのくせにやるじゃん。……っと、じゃなくて。その神魚に贄が捧げられるのは今年なんだ。だからエルフ達はかなりピリピリしてて、変な勘違いされるって話だ。ま、生贄だってあんま気持ち良いモンじゃないし、見たくもねぇだろうから近付かない方が良いって話さ……」


 表情が、歪む。

 信仰と肯定は必ずしも両立しないという事か。


「ふむ……、ところで料理はできるか。リース」


 と、そんな彼女にフォールは一言。


「あ? うん、そりゃしばらく一人旅してたからできるけど……」


「では頼もう。指示は出すから、その通りにしてくれれば良い。……報酬は今日の夕食だ」


「えぇー、何でこんな生意気なガキに」


 彼女の肩を強く掴む、小さな掌。

 そこには今までないほど必死な、鬼気迫る魔王の姿があった。


「オヌシ、ゴハン、ツクレ?」


「え、あ、あぁ」


「ジャア、ツクル、オヌシ、ゴハン。ワラワ、オナカ、ヘッタ、ツクラナイ、オヌシ、クウ」


「リゼラちゃんここに私という最高のご馳走がぎゃああああああああああああああああ!!!」


「ルヴィリアが喰われたぁああああああああああああーーーーーっ!!!」


「そこのキノコは取り除いておけ。まずは火の入れ方だが……」


「お、おい大丈夫か!? 仲間喰われてるぞ!?」


「……? 別に珍しいことでもないだろう」


「何なのコイツら怖ッ!!?!?」


 この連中を常識で語るということ。それはどんなに無謀なことだろう。

 取り敢えず共食いしている魔族と共食われして絶頂しているド変態と、止めるにも膝の上が至福過ぎて止められない魔族を他所に、フォールはリースへ調理方法を指南していく。

 さてはて、今日の夕飯はどうなるのだろう。美味しい料理か、不味い料理か。それとも混沌極めしトンデモ料理か。

 ――――今晩の魔王オブ胃袋の行方は、さぁ、どっち。


「ところでエルフ女王とかあるんだが、これも使ってみるか?」


「え」


 トンデモ料理待った無しである。



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