【エピローグ】
【エピローグ】
「確保ォオオオオオオオオオオオオーーーーーッッッッ!!」
ルヴィリアの絶叫でローとゴブリン達によりゴブリンソルジャー及び主犯の魔王はその場で確保された。いやもう犯人一同全員瀕死だしファーストに到っては心肺蘇生を受けていたりするのだけれど、取り敢えず全員確保された。
幸いなのはこれが見世物と思われて万雷の拍手を送られたことや、何故かゴブリンの子供と街の子供が打ち解けてサーカスを楽しんだり、サーカス団もその邂逅を祝福して大騒ぎに発展したり、穴から這い出てきた『火吹き』による見事な芸がこの日一番の喝采を集めたりするのだけれど、客席から遠目にそれを眺めている勇者からすれば対岸の騒ぎ、と言ったところだろうか。
いや、正しくはーーー……、彼の瞳に何より映るのは舞台の真ん中で凄まじいポーズで彩り飾られた一代の兵器だろう。もう動くことも車輪を走らせることもない、けれど種族の隔てなく子供達を肩に乗せて、美しく格好良く力強く、彼等の瞳を輝かせるその一台の魔道駆輪だろう。
「全く……、何か怪しいと思ったらまたリゼラ様か……。あの人はいつもいつも……」
「…………」
「……あー、貴殿? その、何だ。私は良かったと思うぞ? 廃棄したり分解したりするよりはずっと、あの方が良い。私には魔道駆輪の気持ちは解らないが、うん。『爆炎の火山』から共に乗って来た身としては、何より嬉しく思う。サーカス団の団長も褒めてくれたし、何よりこの村でも観光名所として語り継いでくれる、と街の人々も約束してくれたじゃないか」
「む……、あぁ、そうだな」
どうにも、上の空だ。シャルナの慰めも何処へやら。
――――無理もあるまい。何かと言って魔道駆輪を誰よりも手入れしていたのも誰よりも乗りこなしていたのも誰よりも満喫していたのもフォールだ。彼からすれば、おかしな話ではあるが、マイホームのように愛着があったに違いない。
モノは必ず壊れるものだ。しかし、幾ら必然でありその結末が祝福されるべきものであったとは言え、彼の心情は察するに余りあるものだろう。
「……シャルナ、少し席を外すぞ。着いてこい」
「え? ……えっ!? あ、き、貴殿!? 何処に行くんだ!?」
「まぁ、良いから着いてこい。ここは少し賑やかに過ぎる」
そう言うなり、彼のことを案じていたシャルナを余所目にフォールはサーカス団の客席から腰を上げて何処かへと歩んでいく。
シャルナもそんな彼について彩り豊かな装飾に飾られた、けれどサーカス団のお陰もあって余り人通りのない街中を歩んでいく。夜の雪国と言うのは見た目こそ華やかでも、何だか寂しい雰囲気があるものだ。それに彼が歩んでいくのは街中どころか街の外れーーー……、さらに街すら出て、外。雪かきもされてない、白雪積もる丘の上である。
つまり、あの老人が言っていた大樹の根元だ。
「……この辺りで良いだろう。静かで、話しやすい」
街から離れた大樹の根元は、街の輝かしさこそ眩くともその喧騒は然ほど届かない寂しい場所だった。
その代わりに夜空へ輝く満点の星空が彼等を照らすが、その輝きさえも今は、何だか物悲しさを魅せる。
「え、えっと……、貴殿……?」
「ルヴィリアに言われているのだろう。決着を付けておけとか、何とか。……奴の考えそうなことだ」
ため息混じりに呆れた声を出すフォールに、シャルナは思わず言葉を失った。しかしその直後、思い出したように顔を真っ赤に紅潮させる。
――――そうだ、忘れていた! ここはあの、告白すれば幸せになるとか何とかいう噂がある大樹の根元ではないか!!
フォールがそこに連れて来たということは、ルヴィリアの助言通り話があると分かっていたということは、つまり、それは、えっと、そういう事なのか!?
「え、えっと、フォール!? 私は、その、えっと、あの! えっとだな!!」
「始めに言っておくが貴様の想像しているような内容ではないぞ」
「あ、はい……」
事前に釘を刺しつつ、そんな調子を取り払うようにフォールは懐から煙草を取り出した。
彼が喫煙することは珍しい。普段から、とても稀にしか吸わない。そしてその煙草を吸うときは決まって、何かある。
シャルナは彼の口に街よりも朧気な灯火が点ったのを前に、少しだけ身構えた。
「貴様には……、話しておくべきかと思ってな。そうは言ってもルヴィリアは既に知っているし、リゼラも薄々感付いているようだがーーー……、『消失の一日』と俺の関係についてだ」
ふつり、と煙草から白い煙が舞い上がる。
――――『消失の一日』。彼がこの旅を心に決めることになった切っ掛けであり、魔界と人界の冷戦を決定付けたあの事件だ。フォールはその思い出と罪の意識から決して自分から語ろうとはしなかったモノだが、いや、それをここで口にするということは、少なくとも『凍土の山』の洞窟で吐き捨てたどうでも良いこととは異なるという証明だろう。
「俺は……、あの一日のことを貴様等には『俺の余りの強さ故にそうなった』と説明した。だが、それは全く事実と異なる」
「……異なる、とは?」
「これはガッちゃんの……、まぁ、つまるところ帝国のイトウ第四席の仮説が発端らしいのだがな。奴め、奴自身の自宅から俺の体細胞を採取して研究したらしい。髪の毛一本からあそこまで仮説を立てるとは、腹立たしいが奴も本物の天才だということだろう。いや……、或いはそれに気付くだけの観察眼が、と言うべきか……」
すぅ、と煙草の先の灯火が紅く光って、灰色に消えていく。
「……人間、ではなかったそうだ。俺の体はな」
「え、あ……、ど、どういう事だ? 言っては何だが、それは既に解っていたことだろう? フォールは魔族の、初代魔王カルデアの創り出した五大兵器の一つ、厄災の人形だと自分でも言っていたじゃないか。女神が黒幕で、フォール自身もそれは解りきっていたことで……」
「まぁ、聞け。……俺のその細胞は、人間は当然のこと獣や植物とも異なっていたそうだ。かと言って獣人や亜人種ともまた違う。魔族とも、少し違う。……近いのは、魔物だった」
そこまで聞けば、シャルナでも察知できた。
フォールは『消失の一日』で数多くの魔物を、ただの殺気でこの世から多く消滅させたという。だが、そうではなかったのだ。彼は確かに数多くの魔物を消滅させたが、もし、それが初めから仕組まれていたとするのならば、それはーーー……。
「……俺の体は『消失の一日』で消え去った魔物により形作られている」
必然の、結果だろう。
「考えてみれば当然のことだ。魔族というのも元は魔物から進化した存在だという……。初代魔王ともなれば数多くの魔族の始祖とも言える存在なのだから、当然、魔物に近しい存在なのだろう。進化の原点にして究極の統合体とも言えるかもしれないな」
「……き、貴殿、それは」
「奴の体となるのだから、俺も当然そうなる。つまるところ、『消失の一日』の記憶は、恐らく女神辺りに与えられた偽物で、俺は世界各地の魔物を犠牲に創り出された兵器、ということだ。ルヴィリアの仮説ではスライムを求めるのもそれに関連したーーー……、恐らくこれは『本当にスライムが弱すぎて取り込めなかったのを本能的に取り込もうとしていること』が理由ではないか、と」
「貴殿……」
「即ち、俺の体は泥や土塊などではなく、数え切れないほどの数多の命で創り出されたーーー……」
「貴殿!!」
シャルナは、自分がこんなにも声を張り上げてしまうとは思わなかったのだろう、不意に口を防いで肩を落とした。
そんな彼女の様子に呼応するが如く、フォールもまた軽く煙草を吸い込んで、吐き出して、喉元に迫り上がってきた仮説も一緒に吐き捨てる。『それは本題ではない』という言葉と一緒に。
「重要なのは……、シャルナ。俺があくまで『モノ』であるということだ。この体は初代魔王カルデアへ捧げるために女神が用意したもの、と考えるのが打倒だろう。どうしてその体に俺の人格を宿らせたのか、或いは自由にさせているのかは不明だが、少なくとも『モノ』であることに代わりはない。いつ、壊れるかも解らん」
「……では、何か? 貴殿は自分があの魔道駆輪のようにいつか動かなくなってしまうと言いたいのか!? 自分もいつかあんな風に中身が焦げ付いて動かなくなってしまうと!?」
「……その通りだ。こればかりは俺もガッちゃんもルヴィリアも予測を立てることはできなかったが、もしかすれば明日、或いは明後日、下手をすれば今すぐにでも活動を停止する可能性もある。むしろ既に停止していないのが可笑しいぐらいだ。カルデアにせよ女神にせよその方が都合が良いし、数多くの魔物で作られた体などガタが来ない方がおかしい」
「…………ッ!!」
何かを、言おうとしたのだろう。しかしそれは上手く言葉として出てこない。
シャルナは瞳いっぱいに涙ぐみながら、けれど言葉を出すことはできず、ただ、咳き込むように胸を押さえて悶え苦しむ。
「俺はこの事には既に答えを出してある。だから『凍土の山』の洞窟で貴様等にそう伝えた……。だが、お前は、やはり優柔不断な上に溜め込むタチだろう。いつか来るべき時にこの事は知ることになっただろう。だが、その時では遅いと判断した。……だから今、教えた」
未だ残る煙草を押し潰し、フォールは積雪に刻まれた足跡をなぞるように歩み出す。
ただ一人ーーー……、大樹の元にシャルナを残して。
「この答えはお前が出せ。俺の答えになぞるのではなく、お前自身が考えて、お前の答えを出せ。……その結果がどうなろうと、俺は文句など言わん」
彼が吐き出していた白煙は、既に消えていた。
積雪の中、彼は光彩る街並へと戻っていく。ただ、伝えるべきことは全て伝えた終わったのだから。
それは、彼なりの誠意だったのだろう。不器用極まりない男の答えであり、そして、出来うる限りの配慮だった。フォールは本当に、その結果、シャルナがどう答えを出そうが文句を言うことはないはずだ。例えこの話をしたことで彼女が考えを変えようと、或いは全てを聞かなかったことにしようと、もしかすれば、この旅から外れようと、何も文句を言うつもりはない。
これが彼にできる、最大限のーーー……。
「こ、の」
譲歩、だったのだが。
「舐めるなァアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーッッッ!!」
全力、投擲。
覇龍剣は豪風を巻き起こしながら高速回転で雪原を駆け抜け、あわや紙一重でフォールに直撃というところを摺り抜けて街の彼方へ消えていく。その際に魔王の悲鳴が聞こえたが気のせいだと思いたい。
しかしそんな事など我関せずに、シャルナは爆ぜ飛んだ煙草の残骸を物悲しそうに眺める男へ、ずん、ずん、と積雪を蹴り飛ばすように豪快に近付いていき、その胸座を掴み上げた。
「い、言いたいことだけ散々言って、後は自分で考えろだと!? 俺はもう考えてあるだと!? 巫山戯るな、そんな無責任な言い方があるか!! 私にだけ問題を投げつけておいて自分は既に答えを出しているなど、そんな、そんな身勝手があるかぁ!!」
「……いやしかしだな、俺が口を出せば貴様の答えが」
「出せば良いだろう口ぐらい!! そもそも貴殿だって私の告白に答えを出していないくせに自分ばかり偉そうぶって!! 全部全部解ったフウな口を利いて!! そういうところが気に食わないんだ、貴殿は!! 何だ、貴殿のことを考えて私が答えを出して何が悪い!? 貴殿のことを考えて私が運命を決めることの、何が悪い!! 私の選択は私だけのものだ!! それに善悪など関係あるか!!」
「待て、落ち着け。貴様は許容量を超えるとオーバーヒートする癖がある。今回ばかりはきちんと考えてだな」
「きちんとォ!? 考えたさ、考えたとも! ずっと考えてきたとも!! 貴殿は答えなど既に出したと偉そうぶるがな、私は答えなんてとっくに出してるんだ!! 『爆炎の火山』で貴殿に救われた時からずっと、私は答えを出している!! 私は、私はずっとーーー……」
ほろほろと、シャルナの頬を涙が伝う。真っ赤に染まった頬も、鼻先も耳先も、もう何もかもが溢れ出んばかりにいっぱいいっぱいだった。
いいや、初めから全てーーー……、溢れ出していたのかも知れない。その気持ちだけは、ずっと。
「私は貴殿のことが好きだ! 大好きだ!! 愛している!! それ以上もそれ以下もない!! それだけが答えだ!! それ以外に、答えなんて必要ない!!」
フォールの胸座から指が外れ、力なく、ぶら下がる。
――――女らしい指ではない。鍛え上げられた武人のそれはごつごつと硬く太い。胸板は筋肉に覆われていて女らしい色っぽさなど微塵もないし、脚や二の腕だってそうだ。全身が大男のように武骨に過ぎる。
だが、惚れてしまった。好いてしまった。彼のことを、愛してしまった。救われたあの時から心奪われてしまった。彼の背中を目で追い、彼と手を繋げば胸が高鳴り、彼と共に過ごせる日々が何より愛おしかった。
きっと男ならば、ルヴィリアのように豊満な胸や白い肌を好くのだろう。ローのように無邪気な様子や柔らかな肌を好くのだろう。だが、自分にはそんなモノはない! あるのは硬い胸板と褐色の肌、そして武人染みた性分とマメだらけの掌だけだ。女らしさなんて、微塵もない。
それでも、愛したのだ。好きになってしまったのだ。例えその体が魔物のそれだろうが泥だろうが土塊だろうが、誰のために、何のために用意された体だろうがーーー……、愛して、しまったのだ。
「……悪いことなんかじゃ、ないだろう。良いことでもないかも知れない。けれど、私にはそれで充分なんだ。貴殿と一緒に居られるなら、それで」
情けなく流れ出る涙を止める術はない。ほろほろと零れる大粒のそれが、雪原に落ちては溶けていく。
頬が、焼けるようだ。けれど全身が凍てつくようだ。こんな筋肉ダルマなんかに告白される男の心情など、察するに余りある。
けれど、ここで言うべきだと思った。ここで言うしかないと思った。彼が胸の内を、己に課せられた運命を打ち明けてくれたから、だからーーー……。
「私は……! あの魔道駆輪が不幸だったとは思わない!! あの魔道駆輪は私達と一緒に旅をした! 様々な困難を乗り越え、様々な試練を踏破した! あの魔道駆輪があったから帝国に乗り込めたし『滅亡の帆』を止められたし地底都市での戦いにも勝てた! 他にも、数え切れないほどの戦いを走り抜けてきた!! 貴殿があの魔道駆輪を大切にしてくれていたからだ!! 貴殿は……、貴殿はいつか、自分があの魔道駆輪のように壊れてしまうかも知れないという。けれど命はいつか壊れる! どんな命だって、永遠はない!! それは全ての生物に言えることじゃないか!!」
―――――だから。
「いつか壊れるなんて悲しいことを言わないでくれ! 例えそれが数日、数時間、数秒だって! 私は貴殿といられるならそれで良い!! 貴殿と共に過ごせる時間こそが永遠だ!! 私は……、あの魔道駆輪のように、誰かに希望を紡ぐなんて立派なことはできないが!! あの魔道駆輪にとっての貴殿のように、支え合える仲になりたいと願っている!!」
「……シャルナ」
「愛しているんだ! 私は、貴殿をっ……!! この世の誰よりも!!」
「シャルナ」
「私は貴殿の為なら、例えこの世のどんな試練にだってーーー……」
不意に、唇へ柔らかい感触が伝わる。
満天の星空に彼女の涙よりも大きな流星が伝わり、果てなく、夜の闇へ輝きを瞬く間に拡げていく。この白銀の世界すら照らし出すように幾千の光となって輝きを拡げ、何処までも、何処までも、この世界に伝わっていく。
シャルナはそんな流星の景色を彼の瞳越しに見つめながらーーー……、喉を詰まらせ、息を呑み、そして、口の中に拡がる煙草の味に、言葉を失った。
「落ち着けと言っているだろう。……貴様の考えは解った。つまり、考えは変わらないということだな?」
「…………」
「全く……、ルヴィリアが貴様に聞いてみろとニヤついていた理由が解った。貴様が優柔不断で溜め込む性格なのは強情すぎる性格のせいだな。自分と意見を衝突させ過ぎだ。折り合いというものがない」
「…………ぁ」
「明日になれば『氷河の城』を目指して行軍だぞ。今から怒鳴り尽くして風邪を引くつもりか? それとも俺の風邪をぶり返させるつもりか? 魔道駆輪が無いこの先の旅路、いったい誰が荷物を持つつもりだ? ……言っておくが俺は持たんぞ。スライム人形で手一杯なのでな」
「…………あ、ぁ」
「まぁ良い……。思ったより、いやかなり早かったがそれが貴様の答えだと言うのなら文句は言わん約束だ……。貴様もリゼラやローぐらい単純ならこんなところまで来る必要は、あぁ、いや、これも文句だな。口は謹んでおこう」
「あ、ぁあああ」
「まぁ、貴様自身への答えもその内返すとして……。いや、今はそれより、もう戻るとするか。ルヴィリア辺りが要らん勘ぐりをする頃だし、サーカス団から賃金も貰わねばな。ローなど臭いを追ってこちらに来ているかもーーー……」
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」
シャルナ、大☆爆☆発。
彼女は絶叫と共にその場へ倒れ伏すと、赤子の駄々より激しく雪を掻き回しながら暴れ回る。その衝撃たるや重機数台を持ってきても敵うまい。
「きで、ばかぁ!! 貴殿、馬鹿ぁっ!! もっと、こう、雰囲気とか、もっと、貴殿、馬鹿ァッッ!!」
「何だ、喚くほどでもあるまい。ローなど毎朝毎朝俺の顔を舐めてくるが」
「そういう問題じゃない!! そーゆー問題じゃなぁーあぁーぃィーーー!!! 今の、きで、今のぉ!!」
「……洞窟で貴様がやったことに比べれば児戯だと思うがな」
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
トドメの一撃も容赦しないのが勇者クオリティ。
頭を抱えて雪へ埋もれていく四天王を横目に、彼は呆れため息を零しながら煙草の残骸を懐へとしまい込む。遠方から自身の名前を叫んで迫り来る猛獣の接近に身構えながら、或いはその後ろから走ってくる変態や頭に覇龍剣の突き刺さった魔王の姿に面倒臭いと言わんばかりに眉根を顰めながらーーー……。
「……どいつもこいつも、阿呆ばかりか」
いつもの無表情に少しだけ、あの街に灯る彩りよりも、空に輝く煌めきよりも淡い微笑みを、持たせるのであった。
読んでいただきありがとうございました




