【5】
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「だーっ! やっと着いたぁああああああああああああ!!」
さて、勇者達が街を旅立って数日後。この街にまた、とある男達が到着していた。
砂漠で遭難すること幾日か。盗賊が本気で死にかけた果てに気合いで水場を発見することでどうにか生き延びた彼等は、ようやく地獄の砂漠から脱出してこの街を訪れることができたのだ。何ともまぁ、流石の生存力である。
いや、生命力も勿論そうだが、何より大切だったのは結束力だ。盗賊の生存本能、傭兵の狩猟力、冒険者の知識、暗殺者の経験。何が欠けても決してこの街まで辿り着くことはできなかっただろう。
そう、彼等には困難を超えることで不滅の友情が生まれていた。この旅で培うことができた、何よりの宝と言えるものが生まれていたのだ。
「フッ、まさか無事に超えられるたァ思ってなかったぜ。これもテメェ等のお陰だな」
「いえいえそんな! 本当に、皆さんがいてくれたお陰で……、あの砂漠を越えられて……、うぅっ」
「ケヒヒッ、泣くんじゃねェよ! だが、そうだな。もしテメェ等が次に帝国に来た時は罪人ではなく、友人としてもてなしてやるぜ。ケヒヒッ」
「あぁ、本当に俺達……、誰か一人でも欠けていたら駄目だった。俺達の、俺達の友情が『地平の砂漠』を攻略したんだ!!」
共に肩を組み合い、彼等は友情を再確認する。
生き残る為という純粋な目的と、友情という純朴な心。その二つが合わさり、彼等はもう百年を共に過ごすよりも堅い絆で結ばれているのだ。
嗚呼、何と美しいことだろう。人の真なる姿はここにあったのだ!
「「おぉ、お客様方! ようこそこの街へいらっしゃいました!!」」
と、そんな彼等に掛かる声が二つ。
「どうぞどうぞ、旅でお疲れでしょう。温かい布団と静かなお部屋、サッパリできるお風呂を用意しておりますよ」
「来たるべきはどうぞこの『夜長の猫むすび亭』へ! 我等がお持て成しに尽力いたします!」
「……『夜長の猫むすび亭』? 随分長い名前なんですね」
「えぇ、実は我々は元は別々の宿だったのです。しかしある方達のお言葉により争いはいけないと改心しまして、手を取り合い最高の宿を作ることに決めました」
「そうして生まれたのが『夜長の猫むすび亭』です! 最高のサービスをお客様に提供させていただきますよ!!」
「へぇ、こりゃあ良い。皆、どうせなら今日はここにしようぜ。もう旅で疲れてくったくただ」
「だなァ。俺も帝国に帰る前に一服してから帰るとするかァ。キヒヒッ」
「あ、どうせならコォルツォ第九席のお別れ会もしましょうよ! 今日は飲み明かしましょう!!」
「良いねェ! クハハハハハッ、酒だ酒だ、酒を持ってこーいっ!!」
仲良く高らかに笑い合いながら、彼等は宿人に連れられて街を行く。
嗚呼、何と平和な光景だろう。かつては戦乱しか知らなかった街の人々も、仲間割れを続けていた彼等までもがこんなにも美しく手を取り合っているではないか。これぞ人々が望んだ平和の証に他ならない!
嗚呼、世界! 世界はこんなにも美しい!!
「ところで本日の夕食ですは、どうされますか? バロック鳥の目玉焼きなどございますが」
「ほォ、目玉焼きかァ。じゃあ俺ぁケチャップで」
「は? マヨネーズだろ?」
「え? 塩ですよね?」
「あ? ソースだろ」
「「「「………………」」」」
総員、抜剣。
斯くしてこの街は数日間の大激闘を繰り広げ、後にき〇こたけ〇こ戦争に続く目玉焼き大戦が始まることになり、街一つ壊滅するまで続く戦いが巻き起こることになるのだがーーー……、それはまた別のお話。
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