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最強勇者は強すぎた  作者: MTL2
――――(前)
295/421

【3】


【3】


 木箱の蓋が蹴り飛ばされ、一人の男が蕩けるようにぬるりと姿を現した。

 彼は起き上がると背筋や関節をよぉく伸ばし、ごきりぱきりと骨が慣れる音と感触に欠伸を零す。

 いつも通り無表情なもので眉根一つ歪めない欠伸というのは奇妙過ぎるのだが、そんな表情も今ばかりは怪訝に引き攣り上がっていた。

 当然だろう。辺りに拡がる景色は見慣れた黄土色など微塵もない、どころか異様に幾何学的な景色だったのだから。


「……寝過ぎた、か?」


 ――――違う。ここは列車の中ではない。家畜車両の中ではない。

 辺りに家畜臭さはないし、敷かれてあった藁の感触は鋼鉄の硬度に変わっている。嫌に生暖かいような肌寒いような訳の解らない気温と言い、暗闇に照る蝋燭や月明かりとは違う薄明るい青色の灯りと言い、何よりも天上や壁面に走る文字や浮遊物体の群れと言いーーー……。


「…………何処だ、ここは」


 明らかに現世の場所では、ない。


「むぅ……、まさかここがスライムの……!?」


 楽園エデンでもない。


「おかしい、確か俺達は魔道大列車の家畜車両に荷物へ扮して密航していたはず……。まさか何処かに運び出されたのか? いや、そんなに寝ていたつもりはないのだが」


 実際、彼が寝ていたのは僅か数時間ほどである。

 ただその間に魔道大列車のハイジャック、暴走、横転、強奪、そして勇者誘拐というハイペースサイクルが巻き起こったのだ。現状を理解できないのも無理はない。

 いや、それより問題は今ここが何処かということだろう。彼自身の後ろで山のように積み上げられた荷物と言い、無駄に広大で奇妙な浮遊物漂うこの閉鎖的な空間と言い、自身の隣で眠る獣人の女と言い、いったいここは何処ーーー……。

 獣人の、女。


「くぴー……、くぴー……」


 鼻から提灯を膨らませて満足外に眠る、一人の女。いや、女と言うには若く、少女と言うには大人びている。もしかすると余りに間抜け過ぎるその表情故に幼く見えるのかも知れない。

 しかし気に掛かるのは白黒シマシマの虎模様の尻尾、ではなく。ぴこぴこと動く耳や散髪も手入れも全くされていないボサボサの白長髪、でもなく。衣服と言うよりはボロ布と言うべきなほど粗末な格好、でさえなく。口端から飛び出た特徴的な八重歯、ですらなく。

 彼女の存在しない、両腕だった。


「隻腕……、いや、無腕か」


 そう、彼女には両腕がない。器用に脚の指先で頭を掻く動作や肩の傷痕から見ても、かなり昔からこの状態なのだろう。

 いや、よく見れば全身生傷や傷痕だらけだし、かなり過酷な状況で生きてきたことが解る。それにしては随分間抜けで隙だらけな寝顔だとは言ってはいけない。


「間抜けで隙だらけな寝顔だな……」


 言ってはいけないっつってんだろ。


「ふむ、コイツならばここが何処か知っているだろうか。……しかしよく眠っているな。起きろ、貴様。おい」


 フォールは試しに肩を揺すってみるが、女は面倒臭そうに体をくねらせてにょろんにょろんと逃れるばかり。まるで蛇かイタチのようだ。

 鼻提灯を割ってもまたぷくりと浮き上がってくるし、口元からだらだらと流れる涎を拭き取れば逆に腕が喰われる始末。


「リゼラかコイツは……」


 いや、流石にあの魔王様と同一視するのは如何なものだろう。

 彼は仕方なく腕を抜き取り、別の手掛かりをーーー……、抜き、抜、ぬ、抜けない。

 どころか、さらに喰われていく。既に肘まで喰われている。完全にもむもむ喰われている。


「…………いかん、右腕が封じられた」


 リゼラかコイツは。


「くっ、噛み砕かれないだけマシだが、丸呑みというのも気分が悪いな……。おい離せ貴様。俺の腕を喰うな。おい、やめろ、おい」


 振り払えど引っこ抜けどやはり変わらず、腕はずぶりずぶりと丸呑みされていく。

 気付けばもう殆ど肩まで飲み込まれてしまったではないか。いったい、この華奢な体の何処に腕は消えているのだろう。これならまだ咀嚼するリゼラの方がマシというものだ。何せ、近くに食べ物を持って行くとそっちに食い付くので非情に解りやすい。

 しかしこの女はどうだろう。完全に近くにあるものを食む、赤子が指を吸うのと同じ原理だ。これではいったいどうやって離せば良いのか全く解らないではないか。


「無理やり引っこ抜くか? いや、この吸引力では腕ごと持って行かれる可能性があるな。鼻を摘んで、いや、腕ごと中身まで出されてはたまったものではない」


 さて、どうするかと思案顔になるフォール。しかしいつもならば思考をなぞる視線は鋭く狭められ、彼は直ぐさま積み上がった荷物の裏へと走り込んだ。

 数秒、ないし十数秒。彼が飲み込まれた腕の指先にじんわりと温かみを感じ始めた頃にそれは現れる。

 巨人ーーー……、とでも言おうか。全長は三メートルから五メートルの人型だ。ずんぐりとした体躯のものから細長い体躯のものまで、計四体ほどの巨人が先程までフォールのいた場所を歩きすぎていく。

 ただの巨人ならばフォールも対話ぐらい試みたかも知れない。しかしその巨人は腕に自身の体躯ほどある大剣や大斧を構えており、さらにその体は周囲の幾何学模様と同様の材質という、明らかに現世のそれではない様子を見れば隠れもしようというものだ。


「……此所が何処かは解らないが、うむ。恐らく見張りと言ったところか? 武装している辺り戦闘能力は高そうだな。何よりあの体、いったい何でできている? 有機物ではないな。鉄や鉱石に近い材質のようだが」


 ――――気になる。せめて奴等の感覚器官が何なのかぐらいは調べたい。

 しかし利き腕はこの状況だし、左腕一本で挑むには些か分が悪い。いや、奴等の力量次第では例え右腕が使えたとしても、どうなるかは解らないだろう。

 ここは一端退いて状況を把握すべきだ。少なくともここが何処なのか、そしてコイツが誰なのかぐらいは突き止めた方が良い。あと腕も引っこ抜いた方が良い。むしろ最優先で引っこ抜いた方が良い。


「ふむ。此所が何処か、状況がどうかは全く解らんが……、やることは見えたな。ならば後は動くだけだ」


 まずは兎にも角にも安全地帯の確保だ。幸か不幸か食料はこの列車の積み荷だった木箱の山があるし問題ないにせよ、あんな巨人が徘徊している場所にそう何時間も留まりたいとは思わない。

 その為にもまず周辺地理を把握して確実な殲滅ガシッを行わねばならないのだから。ガシッ?


「くぴー……、にゃフフ……」


 気付けば、腕に齧り付いた女の両脚が何故か木箱に絡みついていた。それも積み上げられた最下層、支柱となる絶対崩してはいけないであろう部分にだ。

 フォールはここでようやく気付く。この足手纏いならぬ腕手纏い、こんな危険地域で爆睡している事と言い、差し出されたものを問答無用で食む警戒心の無さと言い、触れたものに何でもかんでも絡みつく間抜けさと言いーーー……、実は赤子並に知能が低いんじゃなく、単に何も考えずその場の本能だけで行動してるんじゃないか、と。


「……成る程、面倒なことになってきた」


 良い夢でも見ているのだろう。嬉しそうに尻尾をブンブン振る様子は愛らしさすら覚える。

 しかし今その愛らしさで死にかけている身としては色々洒落になってない。起こすか、もう力業で起こすか。やってやるしかないか。吐瀉物ぐらい許容するか?


「チッ、こういう時にシャルナかルヴィリアがいればどうにかなったものを……。いや、むしろリゼラ並みに単純だった方がやりやすいな。阿呆、間抜け、大飯喰らい、単細胞、ダサ角、朝飯、昼飯、夕飯のどれかで起きるから……」


 カッ! と、音が付きそうなほど。


「……な」


 それぐらいキッパリと激しく、眼は見開かれた。

 獣らしく黄金に輝く瞳は何処を見るやら闇を眺め、停止したまま動かない。先程の暴言に反応したのか自然に目覚めたのかは解らないが、意識があることは明らかだった。

 突如の目覚めにフォールは身構えるも、腕一本を抑えられては距離を取ることすらできない。もしこの女が敵だったのなら、確実に右腕は諦めなければならない事になる。

 敵か、味方かーーー……。確立2分の1、いや状況を考えればさらに分の悪い賭けの直面に、緊迫の空気が流れていく。一歩、一息、一瞬でさえこの状況にどんな影響を及ぼすか解らない、そんな極限的な空気が、二人の間に流れ、そして。


「くぴぃ……」


 そのままバイバイ。


「……おい、眠るな。せめて腕は放せ、腕は」


「ニャハハハ……。新鮮ロース……」


「やめろ。貴様が喰っている部分はスネとマルカワと言って……、いや待てやめろ。俺の腕を肉に見立てるな。やめろ」


「カルビぃ……?」


「何という執念だ……」


 このままでは、本当に腕丸々一本無くすことになる。

 そう危険性を感じたフォールは仕方なく、最終手段を執ることにした。鼻を摘んで吐き出させてやるあの方法でも良いのだが、それは最終を超えた極限に取っておきたい。流石に腕が吐瀉物塗れは勘弁だ。

 となれば、そう。執れる方法はただ一つ。後の事を考えればこれだけはしたくなかったが、仕方あるまい。

 彼は腰に巻いたポーチから一本の瓶を取り出すと、その蓋を左指で弾き開けた。中には燃え上がるように真っ赤な粉末が、人によっては究極の唐辛子とかデスパウダーとか調味料と書いて殺人兵器とか呼ぶ入っている。

 そしてフォールは粉末をそのまま、迷わず女の鼻穴へIN。


「…………」


「……へケッ」


「…………」


「ヘッ、ヘッ、ヘッ、ヘッ、ヘッ、ヘアアーーーーーーーーーーーーーーッッ!!」


 そりゃそうなるわ。


「ハゲアーッ! ハゲァーハナホゲァアアアアーーーーッッ!!」


 女はその場で暴れ回り、生物のものとは思えない悲鳴と共に錯乱する。

 その隙を見逃すはずもない勇者、女の口から腕を救出。唾液と胃液塗れの腕が彼の元へ戻って来た。この状態ではあんまり嬉しくない。と言うかただただ臭い。物凄く臭い。何を喰ったらこんなに臭くなるのかというぐらい臭い。


「本当に何を喰ったんだ? ……鉄、カビ? いやもっと鼻先に来るような臭さだな」


「ゲボッフ、ゲフッガホッ、お前ェエエエエエ! 巫山戯んじゃねぇえええええええええッッ!! ローの鼻に何突っ込んだんだこのヤローーーーッ!! ゲピッ、ゲピッ!!」


 しかし、そんな腕の臭さより大惨事なのは鼻にとんでもない劇物を突っ込まれた女の方だ。

 彼女はだらだらと涙だの唾液だの、そしてその数倍は鼻水を垂れ流しながらフォールに食って掛かる。いや先程まで喰ってたからこんな事になっているのだが、それにしたって怒るのも無理はあるまい。

 鼻が燃え上がるように痛み、それでいて鼻水のせいで洪水のようでもある。燃えながら溺れるなど、拷問以外の何だと言うのだろう。


「うみー……! う、みぃいいい……!! ザッッケンアー……! ざっけんぁああああああああ……」


「貴様が俺の腕を喰うからだ。どれ、鼻をかめ。ちーんだ」


 ちーんっ!


「うぃいい……! 鼻が、鼻がぁあああ……!! 匂いなんも解んねぇよぅうう……!! うぇっ、うぇええええん……、ずびっ、ぐすっ、うぇえええ……」


「そこまで泣かずとも良かろうに。……ともあれ、貴様は何者だ? どうしてここにいる? と言うよりここは何処だ?」


「うびっ、うびっ、ぐじゅっ。こ、ここはローの縄張りだ! ローは偉い! ローはヌシだ!! なのにローの縄張り荒らす奴がいる!! ロー、そいつら倒す!! つまりロー最強!! ローが最強!!」


「……縄張りを荒らす者というのは、先程の巨人か?」


「何で知ってる!? さてはお前、ローの敵だな!!」


「いかんな、あの馬鹿(ポンコツ)並みの知能とまともな会話をする難易度がこんなに高いとは知らなかった……」


豚骨トンコツ!? ロー、豚骨好きだ!! 美味い、こってり! ブタダブルヤサイマシマシニンニクアブラブラブラカラメ!!」


「俺に解る言語で喋れ。……解った、ローと言ったか。どうにも貴様には話が通じんらしい。しかし縄張りだヌシだと言うからには仲間がいるのだろう? せめて話が解る奴のところにつれていってくれ。良いか、頭の良い奴だ。まともな奴だ。解るな?」


「お前なんでローの名前知ってる!? スゲーッ!!」


「…………」


 勇者、剣に伸びる手を必死に抑える。

 未だかつてあのポンコツ魔王より頭の悪い奴がいただろうか? いや、いない。


「……解った、悪いことは言わん。飴をくれてやるから群れに案内しろ。それだけで良い」


「飴玉? 何だ?」


「これだ。……見たことないのか?」


「スゲー色だな! 毒か、毒キノコか!! スゲーッ!」


 ローと名乗る獣人は相変わらず鼻水を垂らしたままフォールの手から飴玉を叩き落とし、じゃれつくように自分ごと転がって遊び出す。その様はまるで猫、と言うよりは猫そのものだ。見た目は虎だと言うのに猫とはこれいったい。いや種族は同じだけれども。

 流石のフォールもそんな光景を見せられては『もしかして子供や幼児ではなく獣として扱った方が良いんじゃないか?』と思い始めた、その時。


「ぬはっ!? しまった!!」


「……何だ、どうした」


「やべー事に気付いた! ロー、やべー事に気付いた!! やべぇぞ世界の危機だ!! てーへんだてーへんだっ、ローこれてーへんな事に気付いちまった!!」


「……だから何だと聞いているだろう」


「腕! ローの腕がねぇ!! ローの腕ねぇよ!!」


「…………初めからなかっただろう」


「ちげーよあったよ! 腕はなかったけど腕はあったよ!! ウデー! ウデー!! ローのウデー!! さっきまでそこらに置いてあったのにー!!」


 駄々をこねるように、と言うか駄々っ子より激しく転がりまくり辺りに砂塵を撒き散らすロー。

 フォールはもうコイツ捨てていってやろうかと眉間に青筋を浮かべるが、態々手掛かりを放置することもあるまいとぐっと我慢して飴玉を拾い上げ、ローの口に放り込んでやる。


「うめぇ!!」


「そうか……」


 もしかしてリゼラ達は大分賢い部類だったのではないだろうか?

 ふとフォールの頭をそんな事実が過ぎったが、大差ないという結論に辿り着いて考えるのをやめた。


「……良いか、落ち着いて話せ。一つ一つゆっくりと、だ。全て話せばもう一つ飴玉をくれてやるぞ」


「お前良い奴だなー! 話す、ロー話す!! ローな、昔に縄張り争いで腕なくなっちまったんだけどな、この縄張りでギシュー? とかいうの見つけたんだ! いつもそれ付けてるんだよ、ロー!! スゲーだろ? ローってスゲー!!」


「成る程。貴様がいつも使っている義手をなくした、と。……それで貴様がその義手を見つけたここは何処なんだ? 貴様の縄張りというのは解ったが、正式な名称や知っていることを話せ」


「名前はなー! ロー王国ってんだ!! スゲー仕掛けとかいっぱいあんだぜ!! 空飛んだり壁に穴開いたり部屋の形変わったりすんだぜ!! スゲーだろ!!」


「名前は兎も角、それは凄いな。ではそのロー王国とやらを荒らす先程の巨人だが、奴等について知っていることはあるか?」


「知らない! 急に現れてロー達を襲いだしたんだ!!」


「急に? ……それはいつ頃だ」


「ローが仲間と焼き豚取り合った時!! あ、お昼寝してたら蝶々が飛んできた時でもあるぞ!!」


「そうか、頭が痛くなってきた。……他に巨人について知っていることがあれば話せ」


「アイツ等なー、いっぱいいるんだぜ! そんでメチャクチャつえーんだ!! ローなら倒せるけど義手ないと無理だな! ロー最強だから! ロー最強だけど義手あったらもっと最強だから!!」


「ふむ……、義手か。ではこうしよう、ロー。俺は外に出てとある連中と合流したい、貴様は義手を見つけたい。なので貴様はここを案内しろ。俺は貴様の義手探しを手伝ってやる。どうだ、交換条件だ」


「でも飴くれるんだろ? 飴もらったらローばっかゆーりじゃねーか!?」


「それは貴様が話してくれた報酬だ。気にするな」


「そっかー! 頭良いなお前ー!! そんで良い奴だなお前ー!!」


 ――――馬鹿なのか単純に無邪気過ぎるのか。どちらにせよこのローという獣人、どうにも毒気が抜かれすぎて頭が痛くなってくる。これならまだ腹の底で余計な事を企んでいるリゼラや、いつしか帝国で出会ったラド第十席の方が余ほど扱いやすいというものだ。

 フォールはそんな事を考えつつ、また飴玉を一つくれてやる。なおその際に指先に吸い付かれて引き離すハメになったことを追記しておこう。


「うめー! あめー!! このアメあめー!!」


「それは何よりだ。ではロー、あの巨人に見付からないよう貴様の技手を探し、ここから脱出するとしよう」


「おー、解った! ロー頑張る!!」


 ローは嬉しげにぴょんと跳ね上がると、そのままフォールの頭に飛び乗った。

 形としては肩車に近いのだが、それにしても随分な身軽さだ。乗られたフォールでさえ一瞬頭に小石でも落ちたのかと思うほどに軽々しい。決して彼女の体重が軽いというわけではないのだろうが、獣如何とした身体能力の高さがそうさせるのかも知れない。

 と言うかどうして頭に飛び乗ったのかとか肩車させるのかとか根本的なことが気に掛かったものの、もう頭上で『行け行けロー号! 発進ダー!!』とか言っている馬鹿に言葉は通じないだろうとフォールは諦めの息をつく。

 いや、何故かロー号と命名されているのは後で訂正しておくけども。


「それにしてもお前アレだなー! 何か臭いな!! ギャハハハハハハ!!」


「…………………………貴様の涎のせいなんだがな」


 やっぱり今訂正してやろうか。思想を。

 しかしオークにも理解出来た崇高な教えがこの者に通じるかどうか解らない辺り、何と言うか、もう本当に何と言うべきかーーー……、、阿呆と間抜けと無邪気は駄目だなとフォールは肩を落とすのであった。



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