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最強勇者は強すぎた  作者: MTL2
最智との邂逅(前)
248/421

【2】


【2】


「……ほう、これが」


 眼前に拡がる光景に、フォールばかりでなくリゼラやシャルナまでが驚きに息を零してみせた。

 ――――竹や漆木造り、和瓦に飾られた家々が山に沿うように段層となって立ち並ぶ。それ等を繋ぐのはただの道ばかりでなく頑強な鉄線による提灯釣りもある。まるで夢幻の街に星々が浮いているような景色は、やはり幻想的な景色を思わせる。深緑の木々や蒼藍の河原と解け合うこの街に惑うのは、正しく調和(・・)の二文字だ。

 街を行く半魔族の者達ーーー……、獣人や亜人ばかりな様まで合わせればそれこそ正に幻想世界だ。鼻先を漂う甘い香りとまでくればこの熱風さえ、否、目的や自分の存在まで忘れてしまいそうになる。


「素晴らしい家造りだ。アレは極東の植物だな。食用らしいが建築素材にもなるとは……」


「何!? あの家食えるのか!?」


「リゼラ様、食欲から離れてください。あとフォールもまず建築物の感想から入るな」


「言いたい事の十割をありがとうございます、シャルナ様。……ご覧の通りここは独自の文化を構築する集落でして、我々はここを『あやかしの街』と呼びます。まぁ、独自とは言え顔役でもあるダキ様が極東出身ということでかなりその傾向が強くはあるのですが」


「ふむ、『あやかしの街』か……、興味深い。食事も独自文化を形成しているのか? 極東ということは米も使っているのか? 味噌や和出汁という素材もあるのだろう? 極東料理について見聞を深めたい、まずは料理屋から見学に……」


「貴殿、目的を忘れるんじゃない! 正直なところキングクラーケンの飼い主捜索でさえかなり逸れているんだからな!?」


「……ち、仕方ない。料理はこの一件を終わらせてからだな。ではまずキングクラーケンの捜索からだ。これならば情報収集を兼ねるから問題あるまい?」


「ま、まぁ、それなら……」


「はい! では料理屋から聞きに行く案を推します!!」


「いい加減怒りますよリゼラ様」


「ごめん」


「イマイチ緊張感のない人達ですね……。しかし、キングクラーケンのことならご心配なく。アレはこの街全体で飼育しているモンスターです。皆様が捕獲して下さったことはルヴィリア様を通じて連絡済み……。既に街の者が迎えに行っていることでしょう」


「……何だ、そうなのか。どうせならクラたん、いや、キングクラーケンの生態について聞きたかったのだがな」


「今凄い名前言いませんでしたか」


「と言うか何であんなの飼育しとんじゃ? イカめしか? それともゲソか? ゲソじゃろ? ゲソじゃな?」


「リゼラ様」


「はい」


「……こほん。キングクラーケンの飼育にはきちんとした理由があります。ただしこの島全体に関わることであり、なおかつ今回の問題には関係の無いことです。キングクラーケン捕獲についてはお礼を申し上げますが、要らぬことには踏み要らぬようお願い申し上げます」


 どうにも、マリーは彼等を避けている傾向があるようだ。このぶっきらぼうな言葉からしてそれは間違いない。

 まぁ初対面の勇者からモフられるわ魔王は話を聞かないわで散々だし、壁の一枚や二枚作って当然というものだろう。核シェルターでも足りねぇや。


「ともあれ、情報収集であればご自由に。何処で収拾するのが相応しいかは言えませんが、皆様が収拾なさる場所が何処か程度であればお伝えしますのでどうぞお気軽に散策なさって下さい。此方がいれば殆どの場所は顔パスですので……」


「あぁ、貴殿はそういう役目も担っているんだな。しかし初めての街、何処から手を付ければ良いのやら……」


「くっ、飯屋に行けぬ以上何処に行けと……!?」


「いや幾らでもありますよどれだけご飯食べたいんですか」


「だって妾、成長期だし……」


「黙っていろ胃袋成長期。……しかし、そう難しい問題でもあるまい。ダキという人物は顔役なのだから、相応の場所に居を置いているはずだ。外聞的に大きな建物か、豪華な建物か……。この街を見下ろせる高い場所だな。恐らく門番もいるだろう」


「つまりそこを探す、と?」


「そうだ。街の規模は中々あるようだが目立った場所を探すだけならなそう時間は食うまい。夕方までには戻れるだろう」


「そうと決まれば早速出発じゃな! ダキなる人物目指していざ街を」


「なお道中の買い食いは禁止とする」


「うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」


「……いつもこうなんですか?」


「すまない、いつもこうなんだ……」


 と言う訳で魔王の挫折悲劇を経て彼等は街を散策することになる。

 目指すはダキなる人物が居を構えるであろう大家、だが、数歩も歩けばそんな目的地を探す視線はあちらこちらへ移ろってしまう。

 何せこの街、独自の文化として発展しすぎており店の品々から道行く半魔族の着物まで何もかもが珍しい。アレは何だ、扇子か扇か団扇なのか? そこに並んでいる飾り付きの棒はなんだ? あの入れ物は何だどうして蛙の口のようになっている?

 何という光景か。見る者見る物何もかもが驚きと惑いを与え賜う。あの家の扉はどういう構造だ、どうして窓に格子がある、ぶら下がっている灯はどうなっている、何が光っているのだ、河辺に掛かる橋の構造は何だ、どうして朱色なのだ、アレは、アレは、アレはーーー……。


「……しかし、本当に素晴らしい街だ。『あやかしの街』と言ったか。独自の進化とは言えここまで派生すれば文句の付けようもない」


「高評価の程、取り纏め役としてお礼を申し上げます。しかし残念ながらこの島にスライムの調度品はありません事をご容赦ください」


「……………………」


「……無表情でここまで落胆の雰囲気が出るものなのですね」


「貴殿もこの男のことが解ってきたようで何よりだよ……。だが、マリー殿。心なしかやたらと人目に付く気がするのだが。獣人種も魔族種も関係無くこちらを見られているような……、いや、旅人が珍しいというのは解るのだが」


「あ、旅人と言えばこの辺りを訪れる旅人だの漁師だのが行方不明になるとかいう噂もあるんじゃろ? アレはどういう事なのだ?」


「……要らぬ事と思い先程は説明を避けましたが、そうですね、あらぬ誤解を生む前に説明しておきましょう。実はキングクラーケンはこの島の守護者でもありまして不用意に近付く者を追い払う役目があるのです。恐らく行方不明というのもキングクラーケンが追い払った者のことを大袈裟に噂されてのことでしょう」


「あぁ、そう言えばルヴィリアもそんな事言うとったよーな……」


「成る程、そういう事だったのか」


 その様に口では納得の意を示しつつもシャルナの視線は未だ人並みを泳いでいた。

 ――――どうにも、道行く者達の視線がおかしい気がする。視線の向きが自分やフォールに向いている様な気が、する。

 確かに女所帯にフォールのような男は珍しいし、気に食わないが自分も男として見られているのであれば彼女達の視線も納得だ。成る程、物珍しい奇異の目というものもあるだろう。

 いやしかし、それにしては何か、奇異にしても奇異過ぎる気がしないでもない。物珍しい珍品を見るというより、まるで宝石を見るかのような、そんな奇異さがーーー……。


「む、待て」


 思い悩み思考の迷路に陥ったシャルナを引き留めるようにフォールが一行の足を止めさせる。

 どうやら彼は何かを発見したらしく、それが何であるかをマリーに問うているようだ。


「あの店、ですか。あの店は呉服……、この街特有の衣服なのですがそれを販売している店ですね。それがどうかしましたか?」


「あぁ、見ろ。店頭に飾られたあの布……、間違いない、ルヴィリアが着ていたのと同様のものだ。それにあの店、脚の入り用や佇まいからして相当な高級店だろう。それもこの街一二を争うもののはずだ」


「……ご名答にございます。確かにあの店はルヴィリア様も行きつけの呉服屋です。しかしよく解りましたね。ただの素材だけで見抜くとは」


「当たり前だ。奴の普段着などを手造りし、元の衣類を修繕しているのは誰だと思っている?」


「えっ。あ、はい」


「あぁ、妾は知っているぞ。この顔は何かもう考えるの面倒臭ぇやって顔じゃろ」


「……何の事でしょう」


「別に何であろうと構わん。あぁいう上等な店ならば顔役も利用しているはずだ。ダキとやらについても話が聞けるかも知れん。行くぞ」


「き、貴殿!? 相変わらず迷いなさ過ぎないか!?」


「店主、この衣服の縫い方について話が聞きたい」


「あ、違うこれ明らかに不純な動機だ!!」


 勇者オカンは今日も家事に貪欲です。


「はい、いらっしゃ……、ひっ!?」


 さて、そんなオカン、もといフォールを出迎えた店員だがどうにも様子がおかしい。

 店員は可愛らしい着物を着込んだ蒼肌の小柄な半魔族だったのだが、彼を見るなり飛び上がってそのままへなへなと膝を折ったのだ。

 男か旅人かが珍しかったのか、それとも隠しきれないフォールの邪気を感じたのかは解らないが、どうにも尋常な様子ではない。潤み滲む眼といい、震え怯える肩といい、今にもぽろぽろと涙を流してしまいそうなほど顔を真っ赤にしているではないか。

 流石のフォールもこのただならぬ様子に違和感を憶えたのか、大丈夫かと声を掛けながら彼女に手を差し伸べ、半魔族の店員も恐る恐るその手を取ろうとした、のだが。

 ――――バチィンッ! 店員の指を、マリーの手が鋭く叩き落としたのだ。


「ひっ、ま、マリー様……!」


「……下がりなさい」


「も、申し訳ございませっ……、あ、アレ(・・)が近いものでっ……!」


「言い訳は結構。店主を呼びなさい」


「は、はい……」


 蒼肌の店員はそのまま逃げるように店の奥へと引っ込み、瞬く間に店中へ喧騒を拡げていった。

 マリーはそんな喧騒などモノともせず、ただフォールに申し訳ありませんと頭を下げる。


「……何もあそこまでする必要もあるまい。ただ転んだだけだろう」


「いえ、この島は何ぶん女所帯……。彼女のように男も見たことがないような初心娘はどんな失礼を働くか解りませんので」


「しかしやり過ぎだと思うが……」


「なぁなぁシャルナ、これ普段から妾埋めたり投げたりしてるくせにって言っちゃ駄目なとこ?」


「お気持ちは解りますが駄目なとこですね」


 そんな風に彼等が話している内に、奥から一人の女魔族が走り出てきた。

 呉服を綺麗に着こなした、四十過ぎであろうかという熟れた牛角の半魔族だ。流れるような歩き方や美しい風貌からも先ほどマリーが言いつけた店主であろうことが解る。

 そんな店主の半魔族は何か失礼があったのかとかウチの者がご無礼をと口早に急かし立てるがマリーはそれを全て打ち切り、フォールへと話題を移す。

 フォールはそんなパスに聞きたかった縫い物のやり方や素材の選び方などを充分に伺ってから、肝心のダキへと話題を移していった。


「ダキ様、ですか……? 確かにうちの常連様ではございますが……」


「ふむ、彼女の所在と好みを尋ねたい。可能か」


「お、お客様の個人情報は……」


 店主はちらりと横目にマリーへ指示を仰ぐ。

 それに対し彼女は瞳を伏せたまま首を縦に振った。許可の合図だ。


「……あの方は華やかなものを好まれます。お金であったり花であったり、もちろん当店の呉服もそうです。他にも料理や身の回りを世話する小間使いもそう。何より華やかさがあの方を現し、あの方が愛する者なのです。この街に浮かぶ提灯も夜景が美しいからとダキ様が並べられたそうで」


「成る程。……所在は?」


「あ、あの方は様々な宿を渡り歩いていらっしゃると聞きます。こちらに訪れられるのも小間使いの方ばかりなので……」


「そうか、解った。すまないな」


「い、いえ、お役に立てたのなら何よりでございます。……それでその、ウチの者の無礼を詫びると言っては何ですが」


 そう謝罪を切り出しかけた店主だが、マリーの鋭い視線に思わず喉を詰まらせる。

 賺さず店主は失礼しましたと頭を下げて店へ引っ込み、マリーもまた目的が終わったのならと移動を促した。

 ――――何故こんなにも民達へ強く当たるのか。シャルナは先程の疑問から繋げるように首を傾げるも、答えが出て来るわけでもない。

 彼女の性格と言えばそれまでなのだが、どうにもそれとは違うような気がするのだ。


「で、ダキのいる場所だが……、まさか宿を渡り歩いているとはな。予想外だが、これは少し意地悪が過ぎないか」


「別に探し当てることを課題とはしましたが、彼女が一箇所に留まっていると申した覚えはありません」


「それもそうだな。しかし宿を渡り歩くというのはどういう事だ? 住処を持つものではないのか」


「……まぁ、この程度なら良いでしょう。彼女は住処や邸宅というものを持っていません。いえ、正確にはそれに準ずるものを持ってはいるのですが、彼女好みの調度品で埋め尽くされまともに暮らす幅がないのです。故に彼女は各宿を渡り歩き、毎夜毎夜と休む暇もなくどんちゃん騒ぎを繰り返しているのですよ」


「家と言うより蔵だな。華やかさもそこまで行けば毒だろう」


「えぇ、ですが金回りや気概は良いので不思議と人は集まります。この街の経済を一手に担っているだけあって金の巡りには慣用なのです」


「ふむ……、そのような人物だ。実力で顔役まで成り上がったのだろうな」


「その通りですね。ダキ様は無法地帯同然だったこの街を一つの国として創り上げられた御方です。正しく『あやかしの街』の顔役と讃えるに相応しい人物でしょう」


「ダキあっての『あやかしの街』、ということか……。その話はこの国では有名なのか?」


「無論、子供から老婆まで誰もが知っています」


「成る程、つまりダキは表の顔であり、そしてもう一人というのは裏の顔なのだな。貴様が言う話にはダキしか出て来ない。即ちもう一人の顔役はこの街造りの時には表に出て来ないような顔役だったと言う事だ。考えるにダキが表を整える中で裏を整えたのがその者であり、今もなお経済権と人望をダキが握っているのならばその者は恐らく汚れ仕事を担う裏家業なのだろう。子供から老婆まで知っているというだけあってその話には出てこれないような……、何だ、マリー? 苦虫を噛み潰したような顔をして」


「そりゃそんな顔もするじゃろ……。誘導尋問かよお前……」


「気軽に雑談も出来ないと言いたそうだぞ、マリー殿……」


「……いや、うむ。無粋だったか」


 マリーは密かに思う。もしかして自分は厄除けを命じられたんじゃないか、と。

 大正解である。


「何はともあれ、目指すのがダキである事に違いはない。華やかが好みというのだから宿でもそれなりの騒ぎが起きているだろう。好みが知れた以上、手土産も用意できるしな。尋ねて話を聞くのであれば手土産の一つや二つは用意するものと聞く」


「ん? ま、待て貴殿。手土産で持てるモノなどないぞ!? 持ち金だってそんな豪遊者が満足できるようなモノを買えるだけの金はない!!」


「何を言っている。素材から作るに決まっているだろう」


「飯と言い服と言いそれと言い、御主のその創作意欲何なの? 勇者なの? クリエイターなの? 暗殺者なの?」


「一から何かを創るというのは……、楽しいものだ。俺が知らない感情をくれる。そう、例えばこの感情は……、殺意だ」


「妾が悪かったです」


「フォール! さ、流石に今回は猶予がないし出来合のもので我慢してくれ!! 衣服や花紋を縫っていたら時間切れなどという悲しい結果を見たくはないぞ、私は!?」


「……折角縫い方を習ったというのに。だが、仕方あるまい。今回は出来合のモノで済ませるとしよう。しかしシャルナの言う通りそんなモノを買えるだけの金がないな」


「金かぁー、そうじゃなー、ルヴィリアがこんな問題出すからなぁー! こんなトコで金使うとか思ってなかったからなー!!」


「そうですね、手持ちの金銭などありませんものね。必要経費とは言えありませんものね。幾ら我々でも手持ちに無い金銭を生み出すなどできませんものね。問題以前にこんなところで詰まることになるとは思いませんでしたものね」


「全くだ。今から海賊船に帰っては時間の無駄だし、誰かが金を貸してくれれば話は早いんだが、そんな親切な者がいるはずが……」


「「「あっ!」」」


「……そんな小芝居を打たずとも必要経費ということで多少の金銭は預かってきておりますので」


 勇者ゲス一行、歓喜のハイタッチである。


「よっしゃ飯食いにいこうぜ飯! まずは腹ごしらえじゃオラ金寄越せェるげすッ」


「り、リゼラ様の眉間がァアアアアーーーーーーーーーーッッッ!!」


「すまない、ならば拝借しよう。……それでマリー、一つ頼みがあるのだが良いだろうか」


「はい、今し方眉間に凄まじい一撃を食らったリゼラ様の手当ですか?」


「奴は放っておけば治るから問題ない。いや、そうではなく……、貴様の好みで構わないから何か華やかなものがある店を知りたい。問題に接触するわけでもなし、それぐらいは構わないだろう?」


「……確かに、此方個人の好みで良いのなら幾らでも紹介いたします。ですが、それがダキ様のお気に召すかは怪しいところにございます。そうするのであれば先程の店で何かを買われては?」


「いや、店が行き着けと言うぐらいだからあの店の品物は見飽きているだろう。華やかさとは得てして目新しさという意味も含むものだ。ならば例え博打であろうともダキの知らないモノを手に入れたい。……となれば、この街を初めて訪れた我々が探すよりもこの街に生きる貴様に頼る方が手っ取り早い。違うか?」


「それは、そうでございますが……。私の好みなど……」


「構わんさ、貴様の好みで良いのだ」


 マリーは彼の言葉に二度三度と口の中で言葉を押し潰し、やがて疲弊により諦めたのか、仕方ないと言わんばかりのため息として吐き出した。

 こうして彼等は案内人マリー・クレチノフに連れられ、彼女オススメの店でダキへ献上する品を購入するため今暫く街を歩くことになる。尤も、金を出すのはマリーなのだけれど。

 風変わりな街に吹き抜ける風鈴の音と提灯の揺れる音に耳を傾けながら、昼前の甘い風流に髪を揺らしつつ、彼等はただこの幻想なる街を気楽に歩んでいくのだ。白き案内人に連れられ、時など忘れてしまいそうになりながらも、ただーーー……。



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