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浦島恋物語  作者: 柊洸
2/3

二章~真実と現実~

2話に来てくれて感謝です。

どうも柊です。序章で宣言した通り…

には行ってないです。スミマセンm(_ _)m

では、どうぞ!

蓮の意識は闇に溶けて消えた。

ゴポッ…

蓮の口から息が 漏れる。そのまま海の底へ堕ちていく。もはや光など見えない、あるのは暗い絶望のだけだ。

そんな中で浦島蓮は死んだんだ…


僕は夢を見ていた。とある公園での母、花恋との記憶。

「母さん、父さん、なんで笑っているの?」

何故か蘇った幼い頃の記憶。

「それはね、あなたの将来を考えてたのよ。」

母さんは、7歳の僕の無邪気な問いかけに微笑みながら答えた。

「僕の将来?」

その時の僕にはそれがとても遠く、不明瞭なものだった。

「将来かぁ…僕、父さんみたいにクニのお仕事がしたいなぁ。

それでお母さんみたいなお嫁さんをもらうんだ!」

その頃の僕の目には国で働く父の姿は憧れのヒーローだった。

けどそんな僕の答えに、母さんは表情を曇らせた。どこか遠くを向いて、悲しい何かを思い出したような素振りだった。

「お母さん?」

母さんが急に何も言わなくなったことを気にした僕は声をかけた。

母さんは少し驚きつつもも優しく微笑んだ。

「…!いや、何でもないわ。そうね、父さんの仕事に…

うん、蓮だってしっかり勉強すればなれるわよ。けどね…」

その時の母さんは肯定しながらも、どこか悲しげで、声が震えていた。

「そっかー…やっぱりたくさん勉強しないといけないのかぁ。けど、勉強好きじゃないなぁ。」

幼い僕はそんなことには気づかず、母さんはいつもの母さんに戻っていた。

そして、母さんは僕を抱き寄せた。久しぶりに母さんの温もりを全身で感じて、僕はとても嬉しくも恥ずかしかった。

「お母さん、恥ずかしいよ。」

僕の言葉にかぶせるように母さんが言った。

「でもね、蓮。偉くならなくてもいいのよ。あなたがどんな風に生きても、お父さんもお母さんも大好きだからね。」

僕を抱きしめる母さんの手に力がこもる。

いつもの明るい母さんとの様子の違いは、幼かった僕ですらわかるものだった。

「おかあさん…?」

「蓮、これだけは覚えておいて。あなたの未来で何が起こったとしてもね。」

突然の母の圧力に当時の僕は驚き、何も言えなかった。いや、成長した今でも返せないだろう。

「あなたはね、たとえ だったとしても、どんなに でもね…」

風が真実の邪魔をする。

「あなたは…」





「ちゃんと祝福されて生まれてきたのよ」

あんなにうるさかった風が、この一瞬だけ嘘のように凪いだ。


世界がぐにゃりと歪み風景が崩れ、消され、書き換えられていく。

気付くと僕は父に怒られていた。

父はボロボロになった僕を叱っていた。

「全く、何で喧嘩なんかしたんだ」

そうだ、当時11歳の僕が5人の中学生に絡まれて喧嘩したんだった。

「お前は なんだって言われたんだ。」

あれ?僕はなんで喧嘩したんだろう?そこだけ記憶が抜け落ちたように思い出せない。幼い僕ですら確かな憤りを感じる何か…

「でもな蓮…」

「父さん、僕は悪かったとしても、絶対に間違ってないって思うよ。」

嗜める父の声を遮るように言った僕は、ボロボロだったとしてもその瞳には少しも迷いなんて無かった。

父さんは何か衝撃を受けたように考え込み、何かと葛藤しているようだった。

「蓮、そうだな。お前はきっと、いや絶対に間違ってなんかない。たとえお前が悪だとしても、悪が必ず間違ってるなんてないんだよな…」

父さんの言葉は後半から自分に言い聞かせるかのようだった。

「正義が必ず正しいなんてありえないんだよな…ずっと分かってたはずだろ…?」

父さんは僕の頭を優しく撫でた。

「ありがとうな、蓮。父さんそんな簡単なことも忘れてたよ。父さんと母さんを守ってくれてありがとう。」

その時の父さんの顔は、いつもの強い父さんの顔では無かった。

景色が歪んでいく。世界が周り、崩れて再構築されていく。

自分がどうなっているのかも分からなくなった僕の目に映る世界は、父さんと母さんが僕を嘲笑っていた最後の姿だった…


…!

ハッと目が覚めた。

「はぁ、夢…なのか?」

夢の中とはいえ、母さん達の姿が見られたのが嬉しかった。そして、確信した。

「母さんも父さんもあんな風に笑う訳が無い。なんで僕は疑っていたんだろう…」

ようやく寝ぼけた頭がスッキリしていく。

そして僕はようやく自分の置かれた状況に気付いた。

「僕は海で死んだはず。なんで生きてる?ここは?まさか…」

国に捕まったのかとも考えたが、すぐに違和感を感じた。

まず、この国ではまず見たことの無いような調度品や装飾品があったこと。

次に、時計が示す時間が蓮が死んだ日から一週間以上たっていたこと。国ならさっさと殺しておくだろう。

最後に水の中にいた事だ。


当然僕は焦った。当たり前だろう、起きたら水の中にいたんだから。

夢かとも思ったが、感覚が生きているのでそうでもないらしい。

とりあえず僕は海で意識が飛んだ後、国以外の何かに助けられ?水の中にいた、ということになる。

「いや、意味が分からないでしょ。なんだよこの状況!」

さすがに展開が早すぎる。処理が追いつかない。

水の中なのになんで息が出来ている?地上と変わらず動ける?そもそもなんで生きてる?

考える程に分からなくなる。とりあえず何か起きるのを待つしかないのかもしれない。RPGでだって何も出来ないなら時間フラグのイベントを待つだろう?

いやもう一つの王道として、部屋の中を探索しなければいけない。

とりあえず僕は考えることをやめ、部屋の中を見てみることにした。

改めて見てみるとこの部屋はとても綺麗だ。

まず、僕が座っているベッド。ダブルベッドですごく柔らかいが、詰め物は綿とかではなく水なのかな?

天井には貝殻のシャンデリア、動力がきているとは思えないが、柔らかい光を放っていた。

壁には宝石の欠片ような物が混じる石?だった。ツルツルとしていて大理石のようだった。

家具などは、木の代わりに貝殻などが使われているようだ。

すると、突然ドアが開けられた。


前置きが長くてスミマセン。序章と繋げてもよかったかもしれませんね。

蓮の過去回ですが、フラグ回収の目処はたってません(;´Д`)

今のところ3人ヒロイン候補を出す予定ですが、次で全い…2人は出します!…多分。

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