世界設定3
~雷の国トォラブルク~
(北欧神話の雷神トォル+ドイツ語で城壁都市を意味する接尾辞ブルク)
雷雨が多く、晴天率が低い気候の国。
晩秋には雹が降り、冬には湿気の多い重い雪が地面を覆う。
雷魔法の特長は、圧倒的な威力と速度である。もっとも、自然界ほどの雷を操れる者はほんの一握りであるが。
出力を適度に制御することにより、エネルギーとして抜群の利用性を引き出すこともできる。しかしこれに関しても運用は極めて難しく、相当な熟練者でなければ安定的な制御はできない。
さらに、体内の微弱な電気信号を操作する精神操作の術にも応用性を持つ。これも極めて高度な精緻さを要する。
総じて、ポテンシャルは高いが扱いづらいという欠点がある。
産業としては、電気を利用した高純度精錬、体内の電気信号解析をもとにした医療産業に強みをもつ。
不安定であるが、自国内で電力インフラを設けてエネルギーの自給自足は実現している。
物質的資源には恵まれていないため、技術を輸出して物資を輸入している。
国風としては、根暗で研究者気質の者が多い。曇天、雨天の多い天候のためとも思われる。
好きなことには猛烈な集中力を発揮し、一途で情熱的な側面もある。個々がそれぞれに力を発揮することを是とする、個人主義的思想が強い。
~地の国アスティエラ~
(アース+スペイン語で大地を意味するティエラ)
肥沃な大地と鉱山に恵まれた国。
地属性の魔法は、簡単な魔法でも攻撃と防御の両面に優れた性能を発揮する。反面、土の重い質量を操るため消耗が激しいのが難点。また、言うまでもなく飛行能力を持つ相手は天敵。
地質改良技術に優れ、様々な農作物の育成が行われている。鉱山も多く、金属資源の産出量は随一である。
また、容易に堅牢な建物を建設することが可能で、災害対策は万全である。
戦闘では、良質な金属製品の防具や、土の防護壁等による防御力が大きな強みである。
高位の魔法使いは、土中の金属成分を水に溶け込ませて毒を用いたり、マグマを噴出させて操ったりなど、他属性の組み合わせによる多様かつ強力な攻撃法を持つ。
行軍速度が遅くなりがちなのが最大の欠点であるが、優秀な騎馬部隊を備えており地上戦では不利になりにくい。しかし、やはり空からの部隊は苦手で、少なくとも自分達から打って出るのは困難。
国風は、質実剛健で保守的。街並みは機能美を感じさせる半面意匠性に欠ける。
武力の強いものが重宝され、やや男尊女卑のきらいがある。
しかし、豊富な資源や極めて高い安全性がもたらす安定した生活は、人々の心に余裕を持たせている。
~草の国フレイナ~
(北欧神話の豊穣神フレイ+確か場所を表す接尾辞……のはず、のナ)
大部分を森林で覆われた緑溢れる国。
植物がよく生育するということは、土地が肥沃で水源も適度に備わっているということである。
草の魔法は、植物と同調し植物の力を借りるというもの。単純なものは、植物の枝、蔓、蔦等で攻撃するというもの。高度なものになると、自身が半身植物のような状態になり、土中成分の吸収や光合成を利用した身体の修復および増強、さらには他生物に根を差し込んで養分や水分を吸い取るという恐ろしいものもある。
産業は、農業が盛んであることは言うまでもなく、何より様々な植物から採取された成分を活用した医薬品製造が、この国の基幹となっている。
軍事においても、魔法より薬品に拠るところが大きい。怪我人の治療はもとより、毒薬を利用した攻撃で相手を大いに苦しめる。
ほかには、木や茂みを利用した潜伏や奇襲を得意とする。
しかし純粋な武力のぶつかり合いは苦手。
気候は年間を通して高温多湿で、陽気な者が多い。住居は木造家屋が一般的で、森の木をそのまま住み処として利用するツリーハウスも存在する。
ややメルヘンチックな文化を持ち、どちらかといえば女性優位。