一日目 夕食
繁華街からの帰り道はフルオートだった。
帰るなり、姉(名前忘れた。なんとかハフーガ)の歓迎を受けた。
「お帰り! ルネ、お風呂にする? ご飯にする? それともメキシカンクラッチ?」
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■▽メキシカンクラッチ
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■ メキシカンサウナ
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■ メキシカンタコス
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(なんなのよ! この三択は!)
とルネは思った。
とりあえず、メキシカンクラッチを選択する。
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■▼メキシカンクラッチ
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■ メキシカンサウナ
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■ メキシカンタコス
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姉(さっぱり名前を思い出せない)の体が豹変する。
やばい……、殺られる!! そうおもったのもつかの間、再度三択ウィンドウが表示された。
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■▽ツープラトンメキシカンクラッチ
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■ スリーープラトンメキシカンクラッチ
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■ メキシカンクラッチオメガ
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だめだ……悪化している。オメガとか超強そうだ。
精神を病んでしまったルネは静かに、ツープラトンを選んだ。
巨乳の姉と、あと元気な妹か暗い義妹かにツープラトンされるならある意味本望だ。
本能寺で焼かれる信長のごとく、信長は最期の瞬間に舞を踊ったとされている。
信長が死の間際に舞を踊ったというのは今作った話です。そりゃああんだけ有名な歴史上の人物だから、探せば、信長が死ぬ直前に舞ったというエピソードぐらいは出てきそうだけど?
だから、教えて! gooogle先生!!
舞ったという説話は残っていそうなものの、「是非におよばず」とか言ったとかなんとか。
もしくは、「おのれの招いた災いか」と言ったとか言わないとか。
gooogle先生経由で、教えてgoooo! にたどり着きました。
閑話休題。
ルネの入浴シーンである。
(はあ~ 今日も一日疲れたなあ。。。
元の世界に戻れるのは何時になることやら……)
途緒は安堵のため息を何度も何度も漏らしていた。
何より、嬉しかったのは自身の裸を見ないで済んだことだった。
ゲームにトリップしてしまったとはいえ、18禁的な描写があったら困る。
ルネの下半身は、ルネが性欲的なものを湧きあがらせた時には物理的にポロリロリンと反応するが、お風呂で眺めてみても、ぼんやりと肌色(決して黒色は混ざらない)で、神々しく、禍禍しくはないのであった。
これなら、途緒にも安心の安心安全設計である。
ルネはリラックスの極致に居た。
いろいろ思い出す。あれやこれ。もう作者も人物紹介とかを見ないと思いだせない攻略対象達。
幼馴染とか先輩とか、同級生とか姉妹や従姉弟。
女神様も居たなあ。
すると、どうしたことだろう。
ペンダントが光り出した。
入浴中だがルネはペンダントをしていたのだった。
外そうとしたが外れなかったのだった。
「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!!
きゃあ!! えっちぃ!!!!」
そこまで書いてから登場人物設定のファイルを開いて、思い出した。
ちなみに、エディタは昔から秀丸を使ってます。
攻略対象とのエンカウント。
ルー・ジャラール・シャトゥールというペンダントに宿った上級精霊だ。
のじゃロリキャラだという。
■take2
「呼ばれて飛び出たのじゃ~ジャジャジャーン!!
なんじゃあぁぁ!! エロなのじゃぁぁ!!!!」
こんな感じ!
「ちょっと! ひとがお風呂に入っているときにでてくるなよ!
ルー!!
俺の裸が見たいなら、いつでも見せてやるけど?」
腰まである緑髪を湯気で湿らせながら、八重歯を覗かしたルーは、両手で目を覆いながら、
「タ、タイミングを間違えたのじゃ!
後でまた来るから一旦ペンダントに帰るのじゃあ~。
だから、あくびを、もしくはくしゃみをするのじゃ!
それが、儂がペンダントに帰るきっかけなのじゃ」
あくびもくしゃみも無しで出て来たくせに、壺から飛び出たわけじゃないくせによくゆうぜ!
ルネは、少し迷ってあくびを選択する。
朝早かったから、意識しないでも出そうだった。
「ふぁああぁああ」←あくびの文字での表現
「す、吸い込まれるのじゃー」
と、ルーはペンダントに戻って行った。
さて、ここからが本題です。さっきまでのは思いつきと単なる攻略対象登場のノルマクリアです。
浴槽に身を沈めながら、ルネは再びリラックスした。
すると湧き上がるあの感覚。
来た? ktkr??
秘密手段解禁?
さんざん煽って置いて、登場してこなかった秘密手段である。
それが、途緒の元に舞い降りる。
それはスマホの形をしていた。
↑無茶なルビを振ったから反映されてるかどうかわからない。
キッズスマホのように、検索機能に制限が付けられたスマホ。それが秘密手段の正体である。
世の中の最新情報を反映させるべく、それは、iプフォンのような形をしていた。
しかも『5S』だ。多分防水だ。だから浴室でも安心だ。
「これで、攻略が楽になるわ!!」
嬉々として、ゲームの内容を検索する途緒。
だが……おかしい……、一向に情報が出てこない。
なんとか見つけ出したのは攻略サイトでも、制作会社のホームページでもなく、小説投稿サイトだった。
『小説化の野郎』というサイトだ。お世話になっているところだ。
宣伝を兼ねて言うと、とあるこの作品の作者の書いた別の小説は累計で、 1170位という位置まで来ている。全部で『小説掲載数209,369作品』なのだから、1100位代は凄い。(2013年、10月18日 19:00頃 こゅぁん調べ)
先月まで、まごうことなきマイナーユーザでマイナー作品を乱発していたのだから、このギャップは凄い。学園編で伸び悩んでいるが、完結までは頑張る覚悟だという。
みんなも応援してやってほしい。
たしか『なんとなくテンプレートな異世界だかニセコイだかの先生』みたいなタイトルだ。
『わりとテンプレ』で検索しよう!!
宣伝乙!! 自己乙! ←ふたつめは『じこおつ』と読む。
「えっ? これって、このゲームの……原作……。
まさか……それしか情報ないの?
攻略サイトは?
嘘!? 嘘でしょ!?
こんなんじゃあ、完全攻略楽勝めしうまー!! できないじゃない!」
仕方なく、攻略サイトを探すのを諦めて、原作を読もうとする途緒。
だが、しかし、そこに○百○十○分の一の魔の手が忍び寄る。
「えっ! 書籍化されたから……ダイジェスト!!
そんな……」
しかもである。
以前のゲームをクリアする時に神様にお願いしてしまっていた。
ちょろそうなゲームだったのであるそれは。
だから、ゲームを楽しめるように、あまり未来の情報は閲覧できないようにしてくれと頼んでしまったのだ。
神様は快く了承してくれた。
途緒が得た、新たな能力。使いようによってはマイナスにしかならない、だけど単純で単調な攻略本片手の退屈なゲームプレイから脱却するためには必要な『お子様フィルター』である。
名前にお子様とついているが、お子様は関係ない。
単に、ゲームのネタバレを緩和する能力だ。
そのせいで、ダイジェスト版もさらには、『第一章』と『第一章終了時のキャラクター人気投票の結果』しかみることができなかった。
そこには簡単に書かれているだけだった。キャラクターのプロフィールが全員分。
それから、第一章の山場は『プールイベント』だということ。
それに、第十話『俺達はメイド喫茶に行くはずだった』とやらで、「オカマは世界を救うのよっ!」が口癖の身長2メートルのムキムキオカマが、無理やりオカマバーに誘導してくるということ。
もちろんゲーム化されているのだから、原作とは異なるルートもあるだろう。
だけど根本は一緒だ。
アタリに告白するのが唯一の正解ルート。
ならば……、原作がダイジェスト化されていて、なおかつ先が見えない(『お子様フィルター』のせい)状況では、数少ないが、得られた情報を頼りに進んでいくしかない。
とんでもない行動をして本命の好感度を下げまくってしまっていたら、いざクリアまじかになって恋が実らないってこともありうる。
って、プールって……。
まだ四月じゃない!! 夏はまだまだ遠い。
原作がダイジェストなだけに、本作はダイジェストであることを出来るだけ避けようとは思っているのですが、これは……さすがに……ダイジェストの予感?
サブタイトルは『一日目 夕食』ですが、夕食は食べずに終わっちゃいました。
次話は、いよいよ二日目です。学園生活の始まりです。んっがっぐっぐ。
◆今回初紹介の攻略対象
ルー・ジャラール・シャトゥール(推定5800)
性格:いたずら好き
属性:のじゃロリ・合法ロリ
外見:腰まである緑髪・八重歯
備考:なんかペンダントに宿った上級精霊
ポ:???
◆今回登場の攻略対象
ルー:のじゃー!!