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そして練習へ……(17)
「成松くんは、鳥では何が好き?」
「うーん、そうですね」
基本的には鷹とか鷲とか、イメージ強そうな奴が好みだけど、あんまり普通のアンサーをしても詰まらないな。よし、あえて知識のない鳥を言ってみよう。
「ほろほろ鳥、ですかね?」
「ああ、ほろほろ鳥ね? 私も好きだよ」
「へー、先輩も知ってるんですか?」
「うん、アフリカが原産のキジ科の鳥で、顔は淡い青色、後頭は首の上部に針状の羽があって、尾は短くて、体は丸い暗い灰色。卵はかなり貴重なんだよ」
……すげぇ。その一言に尽きた。ただ思いついた鳥の名前を言っただけなのにそこまで詳しく。もはや鳥博士の領域には上り詰めているような気がする。
「先輩って、すごく鳥に関して詳しいんですね」
「えへへ、そうかな。普通の人と比べると、そうかもしれないね」
「ちなみに今はどれくらい鳥の名前を覚えていますか?」
「うーん、三百匹くらいかな」
もはやその時点で普通よりもずば抜けていますよ先輩。




