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そして練習へ……(16)
「う、って何ですか?」
「ああ、ごめんね、説明不足だったね」
分かる人は分かってるかもしれないけどな……。
「鵜って言うのは、ウミウ科の水鳥のことだよ。海岸とか沼付近に主に住んでいて、翼が三十センチ近くある大きな鳥なんだ。黒くて、青緑色の艶があって、長くて鋭いクチバシを持ってるの。潜水が上手だから、鵜飼いって言う、魚を捕まえる作業にも使われることがあるんだよ」
……なんて言うか、すごく分かりやすい説明だ。まるで辞書を開いたみたい。そうか、鵜って鳥のことだったのか。確かにそう言われれば聞いたことがあるようなないような。あっ、鵜呑みって言葉も、これから出来ているのか? うーん、奥が深いんだな、鵜って。
「基本的には鳥が好きだけど、鳥の中では一番かな」
「そうなんですか」
珍しいよな、普通鳥で好きって言ったら鷹とかフラミンゴとかは白鳥とかって人が多い気がするけど。個性があっていいか、みんな違ってみんないい。――金子みすず




