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そして練習へ……(15)
「はい、喜んで」
「じゃあ早速、一つ質問しちゃおうかな」
「へ? どうしたんですか? いきなり」
「え? もっと成松くんと仲良くなりたいから、成松くんのこと知ろうと思って」
……すみません先輩。俺の頭おかしいみたいで、今の発言、十八禁の方にしか聞き取れませんでした。全く、何で俺はこう馬鹿なんだか……。どう考えたってそんなはずあるわきゃないってのに。先輩は俺の趣味とかを分かろうとしただけで、俺のことをしろうとしたわけじゃないんだ。
「ああ、はいはい、どうぞ」
「じゃあえっとね……好きな動物は?」
今時珍しい質問だ、でもまあちゃんと答えよう。
「犬とかですね」
「そうなんだ、ちょっと意外かな」
「先輩は何が好きなんですか?」
「私は“う”」
「…………はい?」
「だから“う”」
何でしょうか? 泣き声か何かか? 俺にはちょっと理解できないんだが……。
とにかく詳しく聞いてみよう。




