90/247
そして練習へ……(11)
「ありがとう、成松くん」
と、言って笑ってくれた。
「本当に、成松くんが助っ人で来てくれてよかった。知らない男の子だったらどうしようかと……」
うーん……この際聞いてしまおうか。
「先輩、聞かぬことを聞いてもいいですか?」
「え? 何?」
「先輩ってその、男子が苦手なんですよね?」
「う、うん」
「どうして、苦手になったんですか?」
そう言うと、先輩は少し口ごもった。まずいな、やっぱり聞くべきじゃなかったか。全く、どうしてこう俺は場かなんだか、ものには順序があるだろうに……。激しく自分を責めていると、




