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そして練習へ……(4)
「はい、ヨーイ、アクション」
「は、ふっ、ふん」
「レイエスー、きゃ……」
先輩は派手にずっこけた。俺は慌てて駆け寄った。
「大丈夫ですか、先輩」
俺がそう言うと、
「ストップストップ」
何故かカットをかけられた。え? 何故? 俺が何かしたか?
「だめよ成松くん。今綾音がこけたのは演技よ、本当にこけたわけじゃないんだから」
俺は手に持っている台本をよく読むと、確かにロップこけると書いてあった。そうか、わざとだったのか。普段から先輩、よく転ぶもんだからって、てっきり演技じゃないかと思ったよ。




