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エチュード・イズ・ディープ(8)
「ふっ、貴様の歌は見事だった。だが、その力も私の前では無力と化す」
「お前は何者?」
本村先輩がそう尋ねてくる。
「私の名はグローリー、闇の偵察者だ」
「グローリー」
ださい、激しください。役作りのために高らかに豪語したが、正直馬鹿みたいだ。くっ、今はこんなことを気にしている場合じゃない。何とかこの役をキープしなくては。
「私は、片目と引き換えにユミルの知識の水を飲み、全てを見通す力を手に入れた。どんな攻撃も私の前では力を失い、大地にひれ伏すのだ」
「そんなこと、やってみなくてはわからない」
先輩、すごい演技力だ。しっかりその役に成りきっている。本当に倒せるのか不安になってきた。




