75/247
エチュード・イズ・ディープ(7)
マジでやばい、どうしよう。どうすればいい。正義役? 悪役? モンスター? 自分は何となく悪役が似合ってると思うんだが……。うん、もういい悪役だ。悪役に大決定。じゃあ役柄は、役柄、役柄……。悪、悪だからな、殺し屋? 待て待て、いくら役だからって先輩を殺すのはさすがに……。でも、楽しければいいって言ってたよな、先輩。だけど殺し屋は自分には合っていない。やっぱり違う役を……思いつかねぇ、とりあえず悪役だからそれっぽいものを……お、おもちゃの銃だ、これを使わせてもらって……でも待て、これじゃあやっぱり殺し屋、いや違う……そうだ、自分が殺し屋じゃないことを口で言ってしまえばいい。でも、名前はどうしよう?
何か、何かいい名前は……。
一人で悩んでいると――
「はい、成松くん入って」
ええーい、もう当たって砕けろだ。適当に自作しろ。よし、決まった。俺は『闇の偵察者、グローリー』だ。
俺は壇上へと向かった。
そしてアドリブ。




