70/247
エチュード・イズ・ディープ(2)
「すみません、遅れました」
すでに部員は全員揃っていた。
「あーいいよいいよ。今さっき揃ったばかりだから」
「こんにちは、成松くん」
「……(無言でお辞儀)」
三人の先輩に挨拶をもらった後に、
「成松くん、こんにちは」
本村先輩にも、挨拶をいただいた。
「どう? 話ずれてたりしてなかったかな?」
「はい、全く。すごくおもしろかったです。先輩には文筆の才能もあったんですね」
「え? そ、そんなことはないよ」
顔を赤くしながら先輩は言う。
「ただ思いついたことを書き殴っただけだから」
「だったらなおさらすごいですよ、自信持って大丈夫です」
「もー、ほめすぎだよ、成松くん」
「あのー、本題に入ってよろしいですか? お二人さん」
ふと周りを見ると、みーんな俺たちのほうを注目していた。




