7/247
年上ヒロイン・綾音登場(6)
「俺は成松雄慈郎です。二年生です」
「私は本村綾音です。今日は本当に助かりました」
「そんなに改まらなくていいですよ。それに敬語なんて使わないでください。本村先輩のほうが先輩なんですから」
「え、ええ。そうで……そうだね」
「にしても、あの山盛りのペーパーズって何だったんですか? アンケートとかですか?」
「うん、アンケートとか、生徒会通信とか、課題とか、そんなところかな?」
随分とひどいクラスメイトだな。
こんなに小さい先輩にあんな多くのペーパーズを持たせて職員室に行かせるとは、拷問にもとれるぞ。
「偉いんですね、先輩は」
「そ、そんなことないですよ」
肩をすぼめたせいで小さな体がまた小さくなる。
よく見ると、と言うかすごくかわいい顔をしていた。
どたばたしていて気付かなかったけど、きっと学校の、少なくともトップ5には入ると思われる。
端正な顔立ちにチャームポイントであろう綺麗な髪は、すごくマッチしていた。
きっと三学年の注目の的なんだろうなと、思う。