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年上ヒロイン・綾音登場(4)
どういうことかというと、この子があのペーパーズを運んでた人だったということだ。
何故見えなかったか。
それはこの子が小柄だったから、そういうことである。
……それにしても小さいな。
失礼極まりないが、実際そう見えるから仕方がない。
きっと150cmあるかないかくらいだろう。
俺もそんなに大きいわけではないが(174cm)、彼女は俺の胸くらいまでしか背丈がなかった。
何年生だろうか?
二年では見たことがないからきっと一年か三年か……。
おっと、こんなことを考えてる場合じゃないな。
とりあえず、今はこの惨劇ともいえるであろう、あたり一面に散乱してるペーパーズを拾わなければ。
「いや、気にしないでください。拾うの手伝います」
「ええ!? でもそんな……」
「いいからいいから、こんな状況で放ってなんかいられませんから」
「あ、ありがとうございます」
彼女はペコッと頭を下げ、小さな体をさらに小さくした。
……………………。