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ふれあい・イン・ショッピングモール(11)
「じゃあ、オモチャ屋に行こうか」
「ええ、分かりました」
「わーい、オモチャ屋だ」
「真綾、今日は部活の一環で来てるんだから、何も買ってあげられないからね」
「はーい」
何も買ってあげられないことを理解したうえで喜んでいるのは、きっとあのオモチャ屋には子供が戯れることができるプチ遊び広場があるからだろうな。俺も昔はあそこで遊んだ気がする。今となってはあまり惹かれはしないが……真綾くらいの歳の子には一番楽しい場所なんだろう。
「じゃあ行きましょう。時間もあんまりないから」
「分かりました」
オモチャ屋はここからすぐの場所にある。
真綾は目を星のようにきらきらと輝かせて遊び場へと走っていった。無邪気でいいな、俺は心から思った。
「じゃあ探しましょう。無いことは無いと思うから」
「分かりました」
かくして、探索を開始した。




