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ふれあい・イン・ショッピングモール(9)
「正直、俺もちょっと腹減ってきましたね」
「そっか、じゃあお昼ご飯にしましょう」
「何処にします?」
「うーん、真綾、何か食べたい物とかある?」
「お子様ランチがいい」
最近あまり耳にすることがなくなった懐かしい子供の定番メニューだな。それはさておき、お子様ランチのある店って言ったら……ファミレスだな。あまり定価も高くないだろうし、案外うまいものがあるかもしれない。
「ファミレスにしますか? 俺は全然構いませんよ」
「じゃあ、真綾のリクエストに答えましょうか」
「やったー」
真綾は子供らしい無邪気な笑顔を見せ、先輩はその姿を見て優しく微笑んでいた。本当に仲がいいんだな、この二人は。なのに何故こんなかわいい妹が悪ガキにいじめられていたのだろう。攻められる箇所なんて何一つ見当たらないっていうのに……今は考える必要はないか。きっとガキ共の性根が腐ってただけだろう。
「じゃあ行こう」
「はい」
俺たちはファミレスへと向かった。