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ふれあい・イン・ショッピングモール(6)
「えーっと、接着剤とガムテープは」
先輩は現在つぶやいている二つの文房具を探索中、真綾は色とりどりのペン達に目移りしている。俺も先輩と一緒になって探してはいるんだが、なかなか見つからねぇな。確かにそれっぽい物は目に付くんだが、チューブ型ののりだとかセロファンテープだったりと惜しいところで違っている。んー、これは減点対象だな。つかテープはテープでまとめとけっちゅうに。愚痴を言ってても仕方はないんだが……。
と、その時。
「あった」
先輩の声が聞こえた。
あー本当だ。ちょっと高所の位置にガムテープと接着剤が置いてあった。ここじゃなかなか気付かないのは当然か。というより、もっと見つかりやすくて取りやすいところに置いて欲しいもんだ。
「う~ん、う~ん――」
先輩は必死に手を伸ばしてそれを取ろうとしていた。精一杯背伸びをして掴もうとはしているのだが、悲しいかな届く気配はない。
なので――、
「あ――」
俺は先輩の後ろから手を伸ばして、ひょいとそれを掴んで先輩に渡した。




