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ふれあい・イン・ショッピングモール(5)
やはり休日だけあって多くの人で賑わっている。平日に訪れる時よりも、客のテンションは明らかに高くも見える。
「真綾、迷子にならないようにお姉ちゃんの手を掴んでなさい」
「はーい」
実に仲がいい姉妹だ、見ていてこっちも気分がよくなる気がする。俺も二人から目を離さないようにしなければ。これはもちろん、俺が二人からはぐれないようにするためだ。何故かというと、失礼ではあるが、二人の背丈が足りないため、少しの人ごみでもすっぽりと隠れてしまう可能性があるからだ。故に、気を抜くことはできない。まあ、同じように手を握っていればそんなこともないんだろうが……そんな親密な関係じゃないからな、仕方ないだろう。
「じゃあまずは……雑貨屋さんに行きましょう」
「分かりました」
俺たちは雑貨屋へと向かった。




