表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君が愛を語れ  作者: BAGO
32/247

細やかなプレゼント パートⅡ(9)

そしてそれから二時間ほど、俺は校門の前で先輩を待っていた。決まってる、先ほどのことを謝るためだ。

――来た、先輩だ。俺はばっと前に飛び出した。

「せ、先輩、すいませんでした」

「成松くん?」

「本当に、すみませんでした。好きなだけ殴ってください。俺は、男として最低のことをしてしまいました。だから……」

「……本当にいいの?」

笑止、あんなひどいことをして殴らずにいられようか、いやいられない。殴って悪いはずなどない。もはや死んで詫びる覚悟もある。それくらい今の俺は、謝罪の気持ちでいっぱいだった。俺は目を閉じ、意を決す。

次の瞬間――。

コン、と。ものすごく弱い力で頭を小突かれた。

ゆっくりと目を開けると、ニッコリ笑っている先輩の姿があった。えっと……今ので終わり? もしかして俺が屈むの忘れたせいで力が入らなかったのか?

「えへへ、怒ってなんかないよ」

「え?」

「怒れるはずないよ、だって、あれは三人の冗談だったんだから」

「じ、冗談?」

「うん。実は成松くんが行った後、三人が『嘘だよ~』って言ったの。私たちのことを分かっていてからかってたみたい」

俺は人生最大のため息を吐いた。普通に誤解されなかったことへの安心感と、三人の先輩にも節度はあるんだなという事実の二つで構成されていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ