30/247
細やかなプレゼント パートⅡ(7)
「ふ~ん、そっかそっか」
「ふふ、これは、もしかするかもしれないわね」
「どきどき……」
何かすんげー不敵な笑みを浮かべてるな。一体何を期待しているのだか……悪い先輩じゃないっていうのはわかったけど。
「で? 二人は何を話していたの?」
「え? 大したことじゃないよ」
どうして少し、先輩は顔を赤くしているのだろう。
「何~? やっぱり恋人なんじゃないの? 綾音、だましたでしょ」
「嘘つき……」
ここは誤解されないように言っておいたほうがいい、よな?
「あー、その、俺、先輩から嗜好品をもらったんで、そのお礼を言いに来ただけなんです」
……もしかして、言い回しを間違えただろうか?
三人は激しくはしゃぎ始めた。
「キャー、やっぱりそういう関係だったのね」
「綾音、おめでとう」
「グッジョブ……」
「ち、違います、違いますってば」
必死に訂正を試みたが、すでに頭の中でさっきのことを認識した三人の耳には全く入ることがない。それどころか先輩方は――