年上ヒロイン・綾音登場(2)
ふうっ、難関大学ね……まあ、悪くはないかもな。
今までは深く考えたことはなかったし、この機会に少し調べてみるか。
そんなことを考えながら教室へと帰る中道を歩いている時だった。
目の前から、たくさんの書類らしき、コピー用紙らしきものが歩いてくるではないか。
しかもフラフラふらふらとよろめき、まるで酔っ払いの千鳥足のごとく。
一体俺が見てる光景は何だ?
白昼夢ですか?
いや、冷静に考えろ。
書類だかコピー用紙だか知らんが、そんなものが意志を持って歩くはずないじゃないか。
誰かが後ろで支えて歩いているに違いない。
その証拠に人影が……。
見えない。
いやいやいや、何を言っているんだ俺は。
ないはずがないじゃないか。
もう一度よく見てみろ。
徐々に近づいてくるペーパーズをよく観察する。
……やっぱり見えない。
何故? 何故? 何故?
こんな白昼堂々ミステリアスな事態って起こるものなのか?
俺は何度も何度も自分の目を疑う。
と、その時。
ぐらり。
ペーパーズが傾き、こちらに向かって倒れてきた。
や、やばい!!
「きゃああああああああ~~~~~~!!??」
けたたましい声を共に、ペーパーズは俺を飲み込まんと一斉に襲い掛かってきた。
「うわあっ!」
俺も負けないくらい声を張り上げた。
だが、叫んだところで事態が急変するわけでもない。
俺はあっという間に飲み込まれてしまった。
…………BAD END。