エピローグ・君と愛を語ろう
エピローグ
「雄慈郎にしては情けないな、痛みで立てないなんてよ」
「うるせー、仕方ないだろ。全治六ヶ月の大怪我なんだぞ」
「はは、冗談だよ。何かあったら言え。力になってやっから。治ったら、またどんちゃん騒ぎしよーぜ」
「ん、そうだな」
「あーずるいわ三山くん、私たちも混ぜてよー私たちがいなかったら、雄慈郎くんが悲しむわー。そうよね? 雄慈郎くん?」
「え? ええ、まあ……」
「そうよね、そうよね」
「早く雄慈郎くんをからかって遊びたいわー」
「お、俺はからかわれるのは好きではないです」
「まあまあしょうがないわ雄慈郎くん、これも宿命よ」
「デスティニー……」
……何と返したらいいのやら。
「あ、いけない。そろそろ行かなくちゃ。じゃあね成松くん、部活が終わったらまた来るわ」
「はい、分かりました」
「さあ、みんな行くわよー」
「じゃ、俺も一旦行くわ」
四人は一目散に駆けて行った。
真綾は小学校があるため、すでにお父さんに送られて小学校に行ってしまった。でも、『病院が一緒だからこれからはいつでも会えるね』と嬉しそうに笑っていた。
確かに、真綾がいれば退屈はしないだろうな。
「――にしても、本当にいいんですか? 綾音先輩」
「うん、いいのいいの」
綾音先輩は笑顔でそう返した。言ってなかったが、現在俺は車イスに乗っていて、それを綾音先輩が押してくれている。
「別に部活に参加してくれて構わないのに」
「いいの、たまには休みも必要だもん」
「いや、でもですね……」
「はーい、病人はあんまりしゃべらないでください。傷に障りますからー」
「う……」
長期入院生活が大決定したその日から今日まで、毎日のように綾音先輩は顔を出し、そして俺に付き合ってくれる。本人曰く、『学校よりも雄慈郎くんのほうが千倍大事。だから学校は二の次』らしい。気持ちはすごく嬉しいのだが、やはり三年生だから勉強したほうがいいと思うんだが……まあ、本人がそう言うならいいのかな?
今はまず、自分のケガを治すことが第一だ。
「今日もいい天気」
「そうですね」
「ふふ」
「ん? 何ですか? 急に笑って」
「別に。ただ、本当によかったなって思っただけ」
「ん、そうですか」
「うん」
やっぱり、綾音先輩といると癒される。この分なら、早く傷も治りそうだ。
「早く、一緒に遊びに行きたいね」
「そうですね、何処に行きましょうか?」
「何処でもいいよ。雄慈郎くんとなら、何処でも楽しいもん」
「俺も、綾音先輩となら何処だって楽しいですよ」
「そう? えへへ、気持ちは一緒、だね」
「そうですね」
「……大好きだよ、雄慈郎くん、これからもずっと」
「はい、俺もですよ」
この絆をずっとずっと、守り続けていこう。
大好きな綾音先輩のために――。
これから俺たちの、人生という名の劇が幕を開ける――。
END
今回で「君が愛を語れ」は最終回になります。
ここまで付き合ってくださり本当にありがとうございました。
前回よりも更にひどい文章、おまけにかなりのご都合展開……
自分でも読んでいて
「これをアップして大丈夫なのか?」
と目を疑うようなものだったのですが
「ここで見せておけば、成長した時の評価がかなり上がるんじゃね?」
と思ったので上げました。
……まあ、何はともあれ全部アップすることができてほっとしております。
もう一度、この作品を読んでくださったみなさん、本当にありがとうございます。
読者のみなさんあってこそ、自分も成長できているんだと思っております。
次回作は9月頃に、演劇用に依頼されたシナリオをアップしていこうと思っています。若干今までと違い、台本をアップする形になるので、イマイチわかりづらいかもしれませんが、ご了承いただけたらと思っています。
よろしければ、次も読んでいただけたら嬉しいです。
では、この辺で失礼いたします。
次回作で(?)お会いしましょう。
それでは~