細やかなプレゼント パートⅡ(1)
キーンコーンカーンコーン。
今日も無事に授業が終了した。
本来なら、特にすることもないので特急列車のようなスピードで帰宅をする俺だが、今日は一つ用事がある。
言わなくても分かるだろう。
昨日、本村先輩に頂いたものに対して、しっかりと感謝の意を示すためだ。
ちょっと緊張するが、行くしかない。
俺は亮太の情報に従って、体育館に向かう。
バスケ部、バド部、卓球部、バレー部と室内系部活のほとんどが体育館に集合している。
部活に入ってない俺には、少々歩くことをためらわれたが、頑張って突き進むと、ようやくステージの所まで辿り着いた。
少し疲れてしまった。いや、距離が長いとかではなく、みんながみんなユニフォームなどを着用している中で制服姿で歩いていたためである。例えるなら、ヌーの大群の中に一匹だけジャガーがいるような感じか。しかもそんな状況の中、どうも女子がこちらを見ているような気が……髪型でもおかしかっただろうか?
これでもちゃんとワックスで整えているんだが……。気にしないほうがいいかもしれない。
で、やっとステージの真ん前で来たんだが……。
幕がかかっていて中が見えなかった。中からは声が聞こえるため、誰かがいることは確認できる。……仕方ない。脇から入るとするか、俺は脇にある階段から中に入った。
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