表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君が愛を語れ  作者: BAGO
234/247

混沌の中で見たもの(1)

ん? ここは何処だ? やけに暗いな。それに何もない。もちろん、光なんてものは存在せず、ひたすらに黒一色だ。

気付いたら、俺はそんなところにいた。何でこんなところに? と思ったが特に焦りなどはなかった。どうしてだろうな? ……とにかく、少し歩いてみようか。もしかしたら、誰かいるかもしれない。

さて、どっちに行こうか。まあ、どっちでもいいか、どっちも同じ風景だし、特悩む必要もないだろう。俺は右のほうへと歩き始めた。

本当に何もないな、ここは。歩いていて思ったのはまずそれだった。よく見れば、俺の足下には足場が存在していなかった。しかし、何でだろうな。俺は全然慌ててない。本来であれば、それが分かった時には錯乱するはずなんだが……何て言うんだろう、ふわふわしていて夢を見ているような……夢……夢? その時、俺はここが何処なのかを理解した。

ひょっとしたら、ここは夢の中なのかもしれない。そう考えれば今までの感情に対しての説明は付けられる。夢って言うのは普段常識では考えられないことすら普通に思えてしまうことがよくあるはずだ。それ故、驚きってものがあまりない。だから、足場がなくても歩くことができるんだろう。……何となくだが、現状を理解することができた。

だが、一つ疑問があった。何かというと、俺自身のことだ。一体どうして、俺は自我を保ったままでいるのだろうか? 夢の中って、自分ではない違う人や違う性格になっていることが多いはず。なのに俺は、何にも変わってない。ただの成松雄慈郎である。そう考えると、やっぱりさっきの考えは間違いなんじゃと思ってしまう。

――まあいい、とりあえず歩いてみよう。一人で悩むよりも誰かに聞くほうが早いだろう。俺の第六感がそう言っている。

……………………。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ