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細やかなプレゼント(6)
「本当に本村先輩は優しいんだな。でもここまでとなると、お前が特別だからかもしれないな」
「そんなこと……」
「ん? 雄慈。もう一つ何か入ってるぞ」
「え?」
亮太の言うとおり、見ると中には一枚のカードが入っていた。
“こんな安物ですいません。でも、使ってもらえると嬉しいです。本当にありがとうございます。by綾音”。
「ほほ~~、これはお礼の域をはるかに超えてるな」
亮太の言うとおりだ。
つか、何故ここまでする必要性がある?
あっちは先輩のはず、それなのにどうして後輩の俺にこんなにも気を遣うのだろう。
ありがとうって言葉を伝えてくれるだけで十分なのに。
とにかくだ、今度、ちゃんとお礼を言いに行かなくては。




