当日……そして……(3)
余裕を持って十五分前に待ち合わせ場所に着いたはずなのだが……。何故かそこにはすでに全員集合していた。くそ、今日は俺が絶対一番だと思ったんだが……上には上がいるものなのか。
俺の考えが甘かったわけか、結局。
「おはようございます、みなさん」
「あ、おはよう雄慈郎くん」
「おはよう、お兄ちゃん」
「おはよう成松くん」
「おはよう」
「(こくり)」
「みなさん、すごく早いですね。いつからいたんですか?」
「うーん、今から十五分くらい前かな。真綾が早く行こうって聞かなくて」
「はは、真綾らしいですね」
真綾は恥ずかしのか、ほんのり頬を赤くしていた。
「私たちもちょうどそれくらいかな、余裕をもって出たら、ちょっと早く着いちゃってね」
「でも早く来るに越したことはないものね」
「ノーリスクハイリターン……」
考えることは皆一緒か……。ここ最近発表会とかで遊ぶことがあまり出来なかったしな。きっとみんなは今日を楽しみにしたいたのだろう。
「お兄ちゃん、早く行こうー、時間がもったいないよ」
「あ、ああ悪い。そうだな、行きましょう先輩」
「うん、一杯楽しもう」
「よーし、思い切り羽伸ばすぞー」
「おー」
「ん……」
俺たちは町へと繰り出したのだった。
久しぶりの憩いの時間はあっという間に流れすぎていった。
そして夕方――、