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細やかなプレゼント(5)
「み~た~ぞ~」
「うわっ、何だよ」
亮太が幽霊のような声を響かせ、俺の元にやってきた。
「ついにお前の魅力で、本村先輩に毒の牙を立てたのか?」
「そんな技知らねぇよ」
「で? 何もらったんだ?」
「ああ、見てみる」
俺は壊れ物を扱うように、ゆっくりゆっくり包装をはがしていった。
中を見てみると、そこには……。
鯨の絵が描かれたマウスパッドが入っていた。
「マウスパッドか、つか何で本村先輩、お前の趣味がパソコンって知ってるんだ?」
……ああ、そうか。
あの時、袋から透けて店の名前が見えたんだな。
それが分かったから……何か悪いことしたような感じだな。




