表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君が愛を語れ  作者: BAGO
211/247

前日の憂鬱(2)

走ったおかげか、病院には十分足らずで到着した。

中に入ると、高宮先輩たちや綾音先輩の両親がそこにはいた。綾音先輩は一人離れてイスに腰掛け、手で顔を覆っている。

「こんにちは」

今綾音先輩に話しかけるのはあまりにも酷故、高宮先輩たちに俺はあいさつをした。

「成松くん……」

「大変なことになりましたね……」

「ええ、そうね……」

「君が、雄慈郎くんかね?」

綾音先輩の両親が俺のほうにやってきた。とても感じの良さそうな人たちそうなのだが、今はさすがに元気がない。

「こんにちは」

「こんにちは、わざわざ足を運ばせてすまなかったな」

「いえ、そんなことは……どうなんですか? 容態は……」

「命に別状はないみたいだが、後遺症は少し残るかもしれない。足を強く打ってしまってな。今は手術中だ」

「そう、ですか」

「綾音とけんかをしてしまって、真綾は家を飛び出したんだ。綾音はそれを必死に追いかけたんだが……その時に、バイクとぶつかってしまって……」

「…………」

「きっと綾音は傷ついているんだろう。自分のせいで真綾はケガをしてしまった。あの子はネガティブだからね、一緒にいてくれた君ならもう少し知っていると思うが……きっとすぐには立ち直れないだろう。だから、雄慈郎くん」

「はい」

「綾音のことを助けてくれないか? 聞けば明日はプロデューサーと面会するらしいじゃないか? このままではきっと失敗に終わってしまうだろう。あの子には少しでも自分の夢に近づいてほしいと思ってる。ぶしつけですまないが、聞いてもらえないだろうか?」

考えるまでもない、最初からそのつもりだった。

「分かりました」

「ありがとう、やはり、君は優しいな。綾音が好きになる理由が分かる気がするよ」

そういうと同時に手術中のランプが消え、医者が中から顔を出した。

「先生、娘は大丈夫なんでしょうか?」

綾音先輩の母が心配そうに尋ねる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ