前日の憂鬱(1)
ここからびっくりの超展開の連続です。
ある意味おもしろいかも
しれませんね(^_^;)
だが……そんな有意義な日は、あまり長くは続かなかった。
綾音先輩の実力が天内プロデューサーに認められ、その指定された場所へ行く前日のこと。それはたった一本の電話から始まった。
いつものようにパソコンを弄りながらだらだらと過ごしていると、十二時ちょっと前、電話が鳴った。
「雄慈郎―、出てちょうだい」
け、面倒くせぇな。不承不承ながらも俺は受話器を手に取った。
「はい、成松です」
「あ、本村ですけど、雄慈郎くんいますか?」
「あ、綾音先輩ですか? 俺ですけど」
「ゆ、雄慈郎くん?」
何だかものすごく焦っているように感じる。
「どうしたんですか? 息が荒いみたいですけど」
そう俺が尋ねると、今度は受話器の中からすすり泣いているような音が聞こえてくる。そして、
「真綾が……真綾が」
「真綾? 真綾が何かしたんですか?」
「真綾が、交通事故に巻き込まれたの……」
「な、何だって!?」
耳を疑う言葉に俺はうろたえてしまう。いや、こういう時こそ落ち着くんだ。慌てても始まることじゃない。
「今、何処にいるんですか?」
とにかく、詳細を聞く前にそこへ向かうほうが先だ。俺は綾音先輩に尋ねた。
「県立病院にいるよ……」
「分かりました、今すぐそっちへ行きます」
俺はすぐさま服を着替え、コートを引ったくり、急いで家を飛び出し病院へと向かった。