Let's action!(18)
「お疲れさまです」
「あ、雄慈郎くん、おつかれー」
控え室に戻ると、ほぼ全員が暖かい声をかけてくれた。
「やったね、大成功だったよ。みんな感動して泣いてたみたい」
「え? 本当ですか?」
「うん、レイエス最高だって」
正直、途中で何度か噛んだりつまづいたりしたんだが……。まあでも、そう言ってもらえるとこちらとしても嬉しい限りだ。それにも増して気分がよかった。やり遂げた時の達成感は、他のどのようなものより大きくて、暖かかった。新たな喜びを手にした気がする。
「あれ、そういえば、高宮先輩は何処に行ったんですか?」
「あ、早紀ちゃんたちはお菓子買いにコンビニに行ったよ。もう少しで帰ってくると思うけど……」
なるほど、だからこんなに控え室が静かだったわけだ。まあ、すぐ帰ってくるなら心配することもないだろう。
それはそうとして。
「綾音先輩もすごかったですよ。俺、マジ泣きしてましたもん」
「そ、そうかな? と言うより、あの時の涙、演技じゃなかったんだ」
「はい、やってるうちになんか自分がレイエスだって思っちゃいまして……気づいたらボロボロでしたよ」
「そう言ってくれると、嬉しいな。ありがとう」
「いえいえ、褒めようと思えば二桁でも褒められますよ」
「そ、そ、そんなに……」
照れくさそうにして綾音先輩は指を突き合わせている。
と、そんな時だった。
トントンっとドアをノックする音が聞こえた。