Let's action!(16)
「ぐっ……何だ? この光は?」(ゼ)
「ロップ? お前……まさか……!」(レ)
レイエスの顔は蒼白になっていた。(ナ)
「やめろロップ、お前、お前何考えてるんだよ。その技を使ったら……お前」(レ)
レイエスはその技を知っていた。レイエスには母親がいない。その母も、ロップと同じ魔法使いであったのだ。そしてその技を使い帰らぬ身となったのだ。(ゼ)
「ごめんねレイエス。こうするしか、思いつかなかったよ、私……」(ロ)
「いいから詠唱をやめろ! 他にだって方法はあるはずだ、だから戻ってこい」(レ)
「ダメだよ、この技は、一度唱え始めたらもう止められないんだ。今まで、本当にありがとう。レイエスと過ごした日々、とっても楽しかった。私、一生忘れない」(ロ)
「何だよ……何で最後の別れみたいなことを言ってるんだよ……頼むよ、やめてくれ」(レ)
「ごめんね、レイエス……ごめんね」(ロ)
「ただの小娘が我に立ち向かうというのか?」(ゼ)
「そうだよ、私は、命を賭けてでもこの世界を守る」(ロ)
ロップがそう叫ぶと、さらにロップの体は輝きを増していく。(ナ)
「な、何? 体が、動かぬ……」(ゼ)
「もう、あなたは動けない。そして、私が、あなたを倒す」(ロ)
「ば、馬鹿な。私は暗影の神なのだぞ? 光があれば必ず闇が存在し――」
「今この場所には、光しかないわ」(ロ)
「そんな……馬鹿な……」(ゼ)
「もう、終わりだよ」(ロ)
いよいよロップの体が目がくらむほどに光に満ちていく。そして……。(ナ)
「レイエス、ミルド、エリアルさん、今までありがとう。私の分も……生きてね」(ロ)
「ロップーーーーーーーーーー!」(レ)
ロップは一筋の光線となり、ゼルベクトに向かって放たれた。(ナ)
「お、おのれー……」(ゼ)
光線は、ゼルベクトの体を完全に貫いた。(ナ)
「ぬおおおおおおっ、この、暗影の神である我が……またしても……このような……愚民らに……敗れる、など……」(ゼ)
ゼルベクトは倒れた……。
「レイエス、エウメルの鏡を」(ミ)
レイエスは、それを高々と掲げた。(ナ)