Let's action!(12)
「ちっ」(ゼ)
ゼルベクトは後ろへ一歩退いた。その瞬間、パリンっと音がし、ミラーが割れ、その破片がゼルベクトの頬を掠めた。それは血となり、ゼルベクトの前に現れた。(ゼ)
「我の顔に傷? …………ふふふふっ、はーはっ、はっはっはっはっ」(ゼ)
「もうお前の防御は見切った。俺は気付いたぞ、お前の攻撃にはパターンが無い、というのがパターンだったことをな。俺たちの力を見くびってもらっては困るんだよ。俺たちは、絶対にお前を倒す。そう心に堅く決めているんだ」(レ)
「ふ、いい、いいぞ。そうだ、その意気だ。もっと我を楽しませてくれ。燃えさせてくれ。そうでなければ田多し甲斐がないからな。願わくば我に快事をプレゼントしてもらおうか?」(ゼ)
「くれてやるさ、お前の敗亡という名の快事をな」(レ)
「全く、性格までもが四神にそっくりであるとは」(ゼ)
「性格ですって?」(ミ)
「そうだ、簡単に言うなれば、ベクターは熱血、ラクシアは冷静、アリアは切れ者でクラクムは策士。まあ我はその全てを持ち合わせているがな。我に歯向かうものは、情け容赦なくひねり潰す。それが暗影の神、ゼルベクトの真骨頂だ」(ゼ)
「そんなもの、すぐに粉々に壊してやる」(レ)
「ふ、来るがいい。今一度言っておいてやる。我はまだ、本気をだしていないのだ。見せてやろう、我の本当の力を」(ゼ)
そう叫ぶと、あたりは先ほどよりもさらに黒く包まれ、もはや「無」と言ってもおかしくないほどになってしまった。もはや仲間の位置もつかめないような状態。声だけが頼りだった。(ナ)