Let's action!(8)
「はっ!」(エ)
ムチのごとくしならせ、ゼルベクトに向かって撃ち込んだ。(ナ)
「攻撃がぬるい」(ゼ)
そう言うと、ゼルベクトは大きく手を広げた。するとどうだろう……目の前に大きな鏡のようなものが現れ、エリアルの放った縄の一撃をあっさりと跳ね返したのだ。(ナ)
「一つ一つの動きに無駄がある。故に我の前では、ただの縄遊びにしかすぎなくなる」(ゼ)
「ならば、これでどうだ」(ミ)
ミルドは一挙に十本もの矢をゼルベクトに向かって射る。(ナ)
「少しは方法を考えたらどうだ?」(ゼ)
そう言い放つと、ゼルベクトはまた大きく手を広げた。ミルドの放った矢は、全て目の前で弾かれ、砕け散ってしまった。(ナ)
「数が多ければ壊せるなどという浅見が我に通用すると思うな。このミラーの前には全ての力は精彩を欠き、無力となる。たとえそれが世界を破壊できる力としてもだ」(ゼ)
「…………」(四人全員)
「そろそろこちらからも攻めさせてもらうとしよう」(ゼ)
(ステージが真っ暗になる)
「ち、何処行きやがった」(レ)
「闇とは、人に恐怖と不安を与え、安息を心から掻き消す。ふ、愚かなものよ、明るみが消滅しただけで、そこまで慌てふためくとは……何とも情けない」(ゼ)
「後ろか?」(レ)
「もう遅い、喰らうがよい、ダークネスボム」(ゼ)
「みんな避けろ、右だ」(レ)
(ものすごい爆発音が会場に響き渡る)
「ほお、よくかわしたな、ならば、これでどうだ?」(ゼ)
ゼルベクトは三発連続でダークネスボムを打ち込んだ。(ナ)
(ちっ、さっきの威力、喰らったら一たまりもなさそうだ。ここは一旦防御に徹してあいつの技の特徴を掴んだほうがよさそうだ)(レ、心の声)
「みんな、俺の後ろに入れ」(レ)
レイエスは三人を自分の背中に隠し、地面に大きな魔法陣を描いた。王家に伝わる守護呪文、ガーディング・サンクチュアリ。(ナ)
(ものすごい爆発音が三度聞こえ、あたりが煙に包まれる)
「ほお、今は……貴様は王族の血を引く者だったのか」(ゼ)
「この守護呪文の前には中途半端な攻撃は通さねぇ」(レ)
「やはり、腕前は確かなようだな。その技は会得するまではかなりの時と才能が求められる。それをこの幼さで使用できるとは……少々見くびっていたようだな」(ゼ)
「けっ、誉め言葉としてもらってやる」(レ)
「相変わらす口先も秀逸なことよ……だが……お前の考えはすでに読めておるぞ」(ゼ)
「…………」(レ)