Let's action!(6)
「封印されていたおかげ?」(ロ)
「我は暗影の神、故に暗があればあるほど力は増幅される。それを増幅するのに、アヴァールの壷は最も適した空間だった。一切の光が遮断された空間。もはや我を再復活させるためにここに幽閉したものと言っても過言ではない」(ゼ)
「そんなこと、やってみなくちゃ分かんねぇだろ。俺たちは、お前の実力なんて四神に負けたってことしか知らないんだからな」(レ)
「ふ、その考えはすぐに変わるだろう。見たところお前たちは、かなりの手練のようだが……どうだ? 我の部下にならぬか? お前たちの力があればさらに円滑に世界を滅亡に追い込めるだろう」(ゼ)
「戯言抜かしてんじゃねぇ。お前なんかにつくぐらいなら、死んだほうがましだ」(レ)
「ふっ、哀れよね。何故そうまでしてこの世界を救わんとする?」(ゼ)
「私たちはこの世界を好きだからよ」(ミ)
「醜い勢力争いをやめようとしない落魄したこの世界がか?」(ゼ)
「確かに今は争いあっているわ。でも、いつかは親睦を深め合い、お互いがお互いを理解できる日が来ることを私たちは信じている」(ミ)
「ふ、甘い、甘すぎる。そのような考えならば、それは一生夢のままに終幕する」(ゼ)
「何だと?」(レ)
「お前たちは本当に世界をそのように治したいと思うのだな?」(ゼ)
「当たり前」(エ)
「なら、他の奴らもそのような志を持っていると、自信を持って言えるのだな?」(ゼ)
「ああ」(レ)
「ならば、どうして今、こうして世界の各地で戦争が勃発しておるのだ? どうして血で血を洗う醜い争いをしておる? それは全員が全員そのような志を持っていないからではないか? 皇は何をしている? 何もかもが懐手であろう。志を持っているなら、どうして和睦を望まない? 言ってることが矛盾しているのでは?」(ゼ)
「…………」(四人全員)
「だとすれば、我がやろうとしていることは全てが誤ではないのではないか? 全てを無に還すことは、地上に生きる民の争い、抱く苦しみを浄化することに同じであろう。違うか?」(ゼ)
「…………」(四人全員)