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Let's action!(2)
「にしても、本当に広いですね、このホール」
俺の目の前にある光景は、見渡す限りのイスだった。
「よくこんな場所を借りれましたね」
「ふふ、他劇団さんに感謝しないとね」
……これは、想像以上の広さだ。頭に思い描いていたイメージの三倍は大きい。と言うより、よくこんな大きなホールを作れたなと思う。これを作る金があるなら、もっと住民が喜ぶもんを作れと言いたくなる。……これを先輩たちに言ったら怒られるんだろうが。
心のパンドラに閉まっている。
今はそんなこと気にしてる場合じゃない。目標はただ一つ、今までの成果を全て発揮し、演劇を成功に収めることだ。このホールを見て怖気づいてはいられない。
「はい、みんな集まってー」
俺たちは円状に集合した。
「今から最終リハーサルを行うけど、全てをやってる暇はないから、大切なシーンだけ抜粋してやっていくから。足りなかったところは各自自分で行うこと、わかった?」
「はい」
「よし、じゃあまずはレイエスとロップがミルドと出会うシーンからやりましょう」
というわけで、リハーサルを開始した。
そしていよいよ時間は過ぎ、発表会が始まる。