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細やかなプレゼント(1)
「よし、終わった~」
今日もつつがなく授業を終えることに成功した。
日程は最悪だったのが玉にキズだが、まあ終わってしまえばこっちのものだ。
ふと斜め前に座ってる亮太を見ると、さっきまでは水を失っていた魚のように机に突っ伏していたが、今は水を与えられた魚のように活き活きとしていた。
やはり放課後って言う力は絶大だなとつくづく思う。
さて、これと言って特に用事もないし、部活にも所属していないから、自然と帰るという一つの選択肢が生まれる。
真面目君なら図書館で勉強、なんていうことがあるかもしれないが、今勉強をやったばかりでそんな気は全くない。
なので、いつだって俺選択肢は“帰る”これ一つである。
そうと決まればさっさと支度して帰ろう。
そう思っていそいそと後片付けをしている時だった。
「おーい、成松くんー」
クラスメイトに名前を呼ばれた。