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密室~隠れ鬼パニック~(6)
「……やっぱり練習したほうが」
「じゃあ分かったわ。一回だけ、それだったらあんまり時間もかからないでしょう?」
一回だけか……それだったら大丈夫か。と言うより、余所者の俺に発言できる権利なんてないんだよな。
「まあ、それでしたら」
「やった、ありがとね、成松くん。はいみんな集まってー、ジャンケンするわよ」
高宮先輩がそう言うと、みんなわらわらと集まってきた。
「え? あの、すいません。何をするんですか?」
「え? かくれ鬼だけど?」
いやいや、当たり前のようにそんなことを言われても……。
「演劇部のレクレーションって言ったらかくれ鬼って決まってるんだ、雄慈郎くん」
「そ、そうなんですか」
「そういうこと。あ、隠れていい範囲は学校内、外はNGだからね。それと、一番最後まで見つからなかった人は、一番最初に見つかった人と、練習終了後の後片付け当番交換の権利があるから」
それはもはやレクレーションじゃなく、後片付け免除をかけたバトルなんじゃないだろうか?
「じゃあ行くよー、最初はグー、ジャンケンポン!」