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ビラ配り奮闘記(5)
「確か、小六の頃からかな」
「そんなに前からですか? 中学の時に伸びなかったんですか?」
「伸びなかったってわけじゃないんだけど、三年間で1cmくらいしか伸びなかったよ」
「でも、そう考えると小学生の時はかなり大きかったんですね」
「うん、そうだね。整列の時なんて、よく後ろに並ばせられてたし」
「ずっと小さかったってわけじゃなかったんですねー」
「何かずっと小さかったみたいな言い方ね」
「え? あっ、すいません、つい」
「雄慈郎くんはどうだったの?」
「俺ですか? 俺は高一くらいからです。中三になりたての時は160cmくらいでしたよ」
「え? そうだったの?」
「はい、でもその年の秋ぐらいにぐっと伸びてて、気付いたらこうなってました」
「そうなんだ、じゃあ中学の時だったら、まだ私と身長差は、たったの9cmだったんだね」
9cmでも本当は結構な差なんだけどな。まあ、今の差(23cm)に比べたらかわいいもんかもしれない。