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早々の再会、妹登場!(4)
「お兄ちゃんて優しいんだね? わたし、今までこんな優しい人、見たことなかったよ」
「そ、そんなことないよ」
照れ隠しにそう言った俺だが、正直嬉しい言葉だった。
純真で嘘をつくことができない年頃の子が言った言葉だろうからな。
少なくとも亮太が言ってくれる時よりも心地が良かった。
「お兄ちゃんは、わたしのヒーローだね」
そう言いながら、真綾が笑った時だった。
「おーい、真綾―!」
真綾を呼ぶ女性の声が聞こえた。
ん? この声、前に聞いたことがあるな。
忘れはしない、あのペーパーズ事件の時だ。
と言うことは。
「あ、綾音お姉ちゃんだー」
やっぱりそうか、俺の予想は的中した。
遠くから、小さな体で、髪を振り乱しながら走ってきたのは、間違いなく本村先輩だった。
何となく、そんな気はしていた。
真綾の顔立ちは、どことなく本村先輩に似ている気がしたからな。