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ビラ配り奮闘記(2)
と言うわけなのである。正直、とてつもない不安が俺の背中に見えない重圧をかけている。だって、1000人だぜ?
先輩は大差ないというかあり得ないことを言ってたが、
1000―600=400ですよ? 400人もの違いがあるってのに大差ないなど言える? 肝っ玉がでかすぎますよ先輩たち。
「…………くん」
それに何故わざわざこの町で一番でかい文化ホールを使うんですか? せめて大ホールじゃなく小ホールにしてくれてもいいだろうに、俺は初めての舞台なんだから、もう少―し配慮してくれても――
「雄慈郎くん」
「は、はい?」
「大丈夫? 何か少し震えていたけど」
「あ、マジですか?」
「うん」
「すいません、ちょっと考え事してて……」
「演劇のことでしょう?」
見抜かれた?