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イノセント・スマイル(22)
すると、その奥には……。
色とりどりの花々が所狭しに咲き乱れる素晴らしいスポットがあった。
『その場所はね、私たち余人しか知らない秘密の場所なの。四人の中で困った者がいたら、いつもそこに集まって相談したりしていたの。そうすると、不思議と心が浄化されていく感じがするから。私たちはその場所を清の花園って呼んでるわ』
なるほど、確かに分かる気がする。なんだか心が癒されるような、不思議とそんな気になった感じがする。
先輩は……ちょうど花園の真ん中に立っていた。
俺は呼んだ。
「先輩」
「な、成松くん?」
先輩は信じられないと言った表情でこちらをじっと見つめている。