14/247
早々の再会、妹登場!(3)
「俺も待っててやるよ」
「ホントに?」
「ああ、本当だ」
「ありがとう、お兄ちゃん」
「君、名前はなんて言うんだ?」
「真綾、本村真綾」
「本村、真綾?」
はて、本村? 確かペーパーズ事件の時に出会った先輩の苗字も本村じゃなかったけか?
偶然か? とは言ってもここら辺で本村なんて苗字はあんまり聞かないし、うーん……まあ、いいか。
しっかりガードしてやらねーと。
「お、そうだ」
俺はポケットをごそごそとまさぐった。
「ほら、やるよ」
俺はいつも常備しているアメ玉を真綾に差し出した。
「わ~、ありがとうお兄ちゃん」
真綾は嬉しそうにアメを受け取り、そして口に放り込んだ。
「おいしー」
ふう、元気になってくれたみたいだな。
俺は少しホッとした。
ずっと泣き叫ぶ泣き上戸の女の子だったら、きっと俺は逃げ出していたであろう。
この子はきっと心の強い子なんだなと俺は思った。




