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イノセント・スマイル(15)
そして、空がジャム色に変わり、夕方となった。
「はあ、楽しかった」
「本当に、この遊園地、なかなかいい場所ね」
「また、これるといいわね」
「アゲイン……」
亮太と先輩は口々に感想を言っている。本村先輩もその輪の中に交じり、楽しそうにしゃべっている。その中で、俺は一人真剣な表情をしていたようだ。亮太にそう言われたからだ。俺は何でもないと首を振る。
「俺、ちょっと帰る前にトイレ行ってくるわ。ちょっと待っててくれ」
「あ、私も行くわ」
「私も~」
「ミートゥー……」
「綾音は?」
「あ、私は待ってるよ」
「そう、じゃあちょっと行ってくるわね」
そうして、俺たちはまた二人となった。