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イノセント・スマイル(13)
ギン!
目を光らせ、その生首はにやっと笑った。
おお、びびった。――本当だったのか。
しかし……うん、トリックは分かった。
「先輩」
「な、な、何?」
「アレですよ、アレ」
俺は先輩の後ろを指差した。そこにあるのは……。
「か、カメラ?」
そう、犯人はカメラだった。
「このカメラから光を送ってこの女の人の表情を変えてたんですよ」
そう言って、俺はカメラのところに手を置き、表情を変えたり戻したりしてみせた。
「ほ、本当だ」
「でしょう? 怖がらなくても大丈夫ですよ」
「……成松くんすごいね。さっきからトリックを見破ってばっかり」
「お化け屋敷なんて大体こんなものですよ。ちょっと考えると分かるようなものばっかりで。遊び方が間違ってる気がしますけどね」
「ふふ、お化け屋敷のプロみたいだね」
「そうですか?」
「うん、成松くんならおもしろいお化け屋敷を作れそうな感じがするよ」
「はは、お化け屋敷クリエイターにでもなりましょうかね」
「あはは、おもしろいかもね」
「さあ、早く出ましょうか」
「うん」